「買いたい」を逃さないローカルインベントリマーケティング 実施のメリットは?
ユーザーが商品を検索した際に、「その商品を扱っている近くの店舗」の在庫状況や店舗情報を表示できるローカルインベントリマーケティング。これに取り組むことで小売事業者が享受できるメリットについて、赤司氏・牧村氏は次の三つを挙げた。
- 購買意欲の高いユーザーの店舗誘導
- 新規ユーザーとの接点創出
- ユーザーの利便性向上
「たとえば、オンラインで『これだ!』といえる商品を見つけた際、『色やサイズ感を確認してから購入したい』『今すぐ手に入れたい』と思ったことはないでしょうか。
ローカルインベントリマーケティングを実施していれば、こうしたユーザーが商品検索をした際に近隣店舗の在庫の有無を表示できます。すると、ユーザーは安心して店舗に足を運べますし、購入確率も高められます」(赤司氏)
来店機会を創出できれば、実店舗ならではのディスプレイやスタッフによる接客で関連商品の紹介など併売に向けたアプローチも実施できる。EC以上に客単価の向上を図りやすく、OMOを推進する上で有効な手段といえるだろう。
「また、新規ユーザーとの接点創出も、ローカルインベントリマーケティングで得られる大きなメリットです。たとえば、店舗情報や在庫情報を連携させた商品は、Googleショッピングでの検索視認性を高められます。『スニーカー』など、指名検索以外のキーワードで検索したユーザーに自社商品を知ってもらう機会が増えれば、商品ページの閲覧、自社ECへの遷移、実店舗への来店増といった効果にも期待できるでしょう。ブランド認知の拡大と直接購入の促進どちらにも作用するのが、ローカルインベントリマーケティングの特徴です」(赤司氏)

「ローカルインベントリマーケティングは、ユーザー視点でも良い作用をもたらします。オンライン上で事前に店舗の在庫状況を把握できれば、『せっかく足を運んだのに、欲しい商品が売り切れていた』といった残念な体験を避けられます。また、目当ての商品がイメージと違ったとしても、別の商品を手に取ったり、スタッフと会話をしたりして、新たな購買行動が生まれるかもしれません。これはオンラインだけでは生み出せないスムーズかつ貴重な顧客体験であり、実店舗ならではの強みです」(牧村氏)
メリットが明確であるにもかかわらず、なぜ小売業界ではこれまでローカルインベントリマーケティングが進んでこなかったのだろうか。これには、業界特有の課題や固定観念が関連していると牧村氏は分析する。
「店舗集客では、既にMEO(ローカルSEO)が浸透していますが、小売業界においてはあまり重要視されていませんでした。『Googleマップを見て来店するお客様はいない』と断言する小売事業者も少なくない状況です。
店舗在庫をGoogle上に表示する仕組みも、以前からGoogleマーチャントセンターで提供されていますが、こちらも小売業界ではほとんど活用が進んでいません。膨大な数の店頭在庫データを手動で登録するのは現実的ではないからです。こうした思い込みや運用のハードルが、小売事業者のローカル施策を阻んでいました。
movでは、これらのボトルネックを解消するためにライトOMOサービスの提供を開始しました。同機能は、在庫情報のデジタル化をいかに手軽に実現するかに焦点を当てたもので、Googleマーチャントセンターの無料ローカルリスティングの仕組みを活用し、膨大な数の商品を一括で連携できます。これで、手軽にローカルインベントリマーケティングを実施できるようになりました」(牧村氏)

