前回の記事はこちら
そもそも「エージェント決済」とは何なのか
MMOL Holdings 代表の河野です。前回の記事では、AIとの対話の中で“選ばれ”、その場で“動ける”商品ページの作り方について、AEOとASOというキーワードを出しながら前提共有をしました。今回は、前回最後に少し触れたAP2(Agent Payments Protocol)や、ShopifyのCheckout Kitが広げる決済の未来について、お話ししていきたいと思います。
「AIエージェント元年」といわれた2025年も、年の瀬に近づいています。2026年はここからさらに進化し、「AIと話しているうちに、気づいたら購入が完了していた」━━そんなSF映画のような体験が、エージェント決済によって現実になる年だといえるでしょう。
そもそもエージェント決済が何なのかから、改めて説明できればと思います。エージェント決済は、ユーザー自身が「購入」ボタンを押さなくても、AIエージェントがユーザーの代理として商品選定から決済まで行ってくれる購買モデルです。従来のECでは、最終的な購入処理は人間が行っていましたが、これからは「この条件なら買っていいよ」とユーザーがAIに購入を委任し、その条件内であればAIが自動的に決済まで完了してくれる。そんな世界になっていきます。
よりイメージしやすいように説明すると、たとえば即決するほどではないけれど、ある価格まで値下がりしたら欲しい商品があったとします。自身で在庫状況を常に見に行くのは面倒ですが、エージェント決済が一般化すれば、価格条件を設定しておくだけで条件を満たした瞬間にAIが自動購入してくれます。
また、チャットボットとの対話内で商品を比較検討し、「買って」と指示したらそのまま同一画面上で支払いまで完結できる世界も、エージェント決済があれば実現可能です。まさに、フリクションレス(無摩擦)な買い物体験を享受できる世界が現実のものになりつつあるといえます。
