衣食住に寄り添い、社会課題にも応える 細部にまで宿らせた“無印良品らしさ”
金子(ヤプリ) 実際、新アプリや会員プログラムをリリースしてからの手応えはいかがですか?
宮澤(良品計画) お客様からもスタッフからもポジティブな評価を得ていて、良い状況だと思います。特に今回、よりパーソナライズを加速させるべくメールアドレスの取得を行うことにしたため、お客様の登録ハードルが高くなってしまうのではないかと心配していたんです。しかし、多くの方が登録してくださり、ポジティブに受け入れていただけたのかなと安心しました。ポイントが1ポイント単位で使えるのも、好評なようです。
金子(ヤプリ) 不要になった衣料品やボトルの回収に参加するとポイントがたまる点や、たまったポイントを寄付に使える点も、「GOOD PROGRAM」を体現していて、無印良品らしさだなと思いました。
宮澤(良品計画) 企業理念を体現する上で特にその点は重視していたので、伝わっていて嬉しいです。良品計画では「社会や人の役に立つ」を根本方針に、様々な社会貢献活動に携わっていますが、当社だけでなくお客様と共創してこれを推進していきたいと考えています。プラットフォームの規制などもあり、今は寄付先が限られていますが、ゆくゆくは当社が行う防災プロジェクト「いつものもしも」や、遊休不動産を活用した地方創生の取り組み「MUJI BASE」などにも支援できるような仕組みにしていきたいですね。
金子(ヤプリ) お客様と一緒に商品を作ったり、地域を盛り上げる活動に参加したりしている良品計画ならではな取り組みになりそうですね。
宮澤(良品計画) 「MUJIアプリ」は単に商品を売るだけでなく、生活に役立ち、豊かになる情報を届けることで、毎日開きたくなる、何かしらのアクションを起こしたくなるようなものにしたいと考えています。お客様一人ひとりが自発的にできる活動に参加して、そのアクションで受けた評価を誰かに還元していく。こうした循環を描きつつ、集まったデータを活用して、お客様それぞれの衣食住や生活スタイルに寄り添えるものにしていきたいです。
金子(ヤプリ) 生成AIの登場によりデータ活用の仕方も変化しつつありますが、技術が進歩しているからこそ、よりこうした体験価値や温かみのようなものが増しているようにも思います。
宮澤(良品計画) 私もデジタルでのキャリアが長いですが、各社が利便性を追求する時代だからこそ、フィジカルな体験や空間の心地良さが差をつける要素になると思います。デザインも、機能も、価格差もなくなる時代には「なぜここで買うのか」という意味づけが大切です。だからこそ、衣食住を網羅できる商品を揃えつつ、困った際の拠りどころとして、そしてワクワクや発見が得られる場所としてアプリを磨き上げていきたいと考えています。
金子(ヤプリ) まさにブランディングとロイヤリティの話ですね。無印良品のブランドとしての素晴らしさも改めて感じられる時間でした。貴重なお話をありがとうございました。
対談を終えて(ヤプリ・金子氏より)
今回は、私自身も大好きなブランド「無印良品」を取材させていただきました。「MUJI passport」は、私がヤプリに入社した約10年前から注目していたブランドアプリです。
当時はアプリを店頭で活用してもらうために店長会で説明を重ねていた、というお話をうかがい、そこから多くのお客様に愛され、今やなくてはならない存在へと成長された背景を改めて実感しました。
また、今回の取材を通じて、良品計画という企業がこの規模になってもベンチャーマインドを失わずに挑戦し続けていること、そして宮澤さんをはじめ社員の皆さんがブランドを深く愛していることが伝わってきました。その想いがアプリやロイヤリティプログラムとして体現され、デジタル上の心地良さや「無印良品らしさ」につながっているのだと感じます。
今後も、ブランドアプリの先駆けである「MUJIアプリ」の進化に注目していきたいです。
