ポテンシャル商品の発掘で販促費効率改善も Amazon Ads パートナー事例
ここからは、Amazon Ads パートナーによる広告主の成長支援について、株式会社ウブンと株式会社Shirofuneの2社が、市場の現況やそれぞれの強みや事例を説明した。
Amazon特化型でブランドの成長支援を行うウブンは、ECコンサルタントが戦略の策定から実行まで一気通貫で支援する「コンサルティングサービス」と、Amazonレポートの自動化ツール「Ubun BASE」といったように、マーケティングとテクノロジーの双方からサービスを提供している。「2025 Amazon Ads パートナーアワード」では、アジア太平洋地域における「フルファネル広告賞」を受賞した。
「2018年に創業し、これまでに2,500社ほどの企業を支援してきました。ご支援企業の年間流通総額は7,000億円となっています。
また、当社が特に強みとしているのはAMC(Amazon Marketing Cloud)※1を活用したマーケティング支援です。自社調査ではありますが、2025年5月時点でAMC開設数は世界2位となっています。Amazon特化型であるからこそ、しっかりと成果をお返しできるパートナーと思っていただければ幸いです」(ウブン・笠井氏)
※1 Amazonが提供するデータクリーンルームソリューション。広告主はAMCを利用して、自社のファーストパーティーシグナル、 Amazonのファーストパーティーシグナル、サードパーティーパブリッシャーなどから得たシグナルを安全に連携・分析することで、オーディエンスの行動をより深く理解し、広告効果を測定・最適化することが可能
さらに笠井氏は、日々Amazonのマーケティング動向に目を向ける中で感じているAmazonのストアにおけるマーケティングの変遷について、次のようにシェアした。
「従来のAmazonは、図に示した『フェーズ1:売り場のAmazon』の攻略が非常に重要でした。Amazon上の検索結果の上位をいかに取れるか、つまり実店舗でたとえるとメイン通路や定番の棚をしっかりと確保できるかで成果が大きく左右されていたのです。これを実現するため、私たちも広告活用をしたり、どの商品・キーワードで上位を狙うかといった戦略を日々議論したりして、成果向上を進めてきました。
しかし、直近のAmazonは購買や閲覧といったAmazon上のファーストパーティーシグナル※2を活用し、未来の売上まで予測しながら広告の最適化を進める『データマーケのAmazon』攻略が主流となりつつあります。こういった日々の分析の複雑化かつ高度化が、直近のEC事業者の課題なのではないかと捉えています」(ウブン・笠井氏)
※2 オーディエンスの関心や親和性を予測するのに役立つ、Amazon内の検索・閲覧・購買・レビュー・動画配信サービスの視聴履歴などの様々な消費者イベントや行動を集約したもの
シグナルを使ったPDCAサイクルをいかにスピーディーに回していくか。こうした問いに答えるためにウブンが提供しているのが、前述したUbun BASEだ。同ツールは、広告・販売実績やAmazonのシグナル、レビューなど販売商品にまつわるあらゆる情報を統合してダッシュボードに表示。直感的に成果が見えるようにしている。
「報告書の作成、サマリーの蓄積に加え、広告の自動入札やレビュー、レコメンドに関するオペレーションの自動化といった機能提供も行っています。PDCAを回す上で最も時間を要するデータ収集・可視化・インサイトの発見のフェーズをUbun BASEに任せ、人間が行うべき施策のプランニングや実行へのリソース集中を実現します」(ウブン・笠井氏)
この後、笠井氏からはウブンのコンサルティングサービスやUbun BASEを活用して成果を得た具体的な事例が紹介された。詳細は、同社サイト内の「Case Studies」からも確認可能となっている。

