ブラのセミオーダーサービス『オールフォーミー』立ち上げ
――「オールフォーミー」立ち上げのきっかけは?
「私個人が、中学生くらいからブラジャーをつけ始めてもう20年くらいになるんですが、いままで、デザインと品質と価格が納得できるバランスのものに出会ったことがなかったんです。
20代までは、とりあえずかわいくて安いものでよかったんですけど、30歳を過ぎると、もうちょっと品質と着心地がいいもの、でも、デザインが保守的過ぎないものが欲しくなる。そういうニーズが世の中にあるんじゃないかということで、事業アイディアを思いつきました。
また、中心サイズならデザイン等もバラエティがあるんですけど、そこから外れてしまうと一気に選択肢が狭くなる。それは不公平じゃないかと思っていたので、どうやったら解決できるかというのも考えていました。
2012年9月半ばに入社して、アイディアを思いついたのは11月末くらい。ほかの新規事業のリサーチを手伝いながら、自分のアイディアを練っていきました」
――勝手に、「カカクコムさんぽくない」事業かなと思いましたが。
「経営陣からは、『価格.com』や『食べログ』のビジネスモデルにとらわれず、新しいものを考えてもらってかまわない、とは言われていました。また、会社として『生活者のためになるサービスを提供する』というビジョンが大前提としてあるので、そこはブレていないと思います。ただ、在庫を持つビジネスモデルの前例があまりないので、そこはきちんとコントロールしなければと思っています。
社内の女性たちに事業アイディアを話してみると、まずは興味を持ってくれて、次に『でも、お高いんでしょ』という反応でした。セミオーダーのブラジャーが9,980円(税別)と価格帯を説明すると、『それなら私にも買える』と顔つきが変わったのを見て、アイディアに自信が持てるようになりました」
――メインターゲットはどのあたりですか?
「『オールフォーミー』はブランドではなくサービスだと位置づけているので、アパレルブランドのような具体的なペルソナは設定していません。とはいえ、こういうユーザーが使ってくれるのかなという像は、アラサ―から30代の働く女性です。
この下着を普段遣いし、仕事の前に『よし、これで今日も楽しく行くぞ』と思ってもらえるような利用シーンを想定しています」