ターゲットとしてカテゴライズされたくない Z世代マーケが失敗する理由
──皆さんは“Z世代”と呼ばれ、ターゲット化されることが多いですよね。これから企業やブランドがどうアプローチすれば良いのか、皆さんのご意見を教えてください。
飯島さん Z世代を狙っているんだろうなというのが、わかりやすいマーケティングも結構ありますよね。それらには少し抵抗を感じます。
多くの人が購入しているブランドでも「Z世代をよく理解していない人が考えたんだな」とすぐに気づく施策もあります。「上司に指示されたからやったのかな」と感じてしまうSNS投稿や広告も見かけますね。「Z世代って、こういうのが好きなんだよね?」とあからさまに出されると、冷めてしまいます。
門井さん 「あなたに向けてやっているんですよ」は NGです。ターゲットとして一括りにしないでほしい。
たとえば、アカウントの“中の人”たちが心から楽しんでいるコンテンツなら良いですね。TikTokの投稿で、なんとなくミームに乗ってみたものの、結果的に商品やサービスとあまり関係がないコンテンツになっているものをよく見かけますが、違和感があります。企業の裏側や日常など、商品や企業と関係するものでストーリーがわかりやすいと、共感できるのに。
西川さん ミームに乗っていても、商品やサービスに関係があれば楽しめるかもしれません。あとはミームの意味を理解しているかどうか。「とりあえず乗ってみた」は炎上しますよね。
飯島さん それでいうと、日清食品の広告はいつも見てもおもしろいですよね。なぜでしょうね。
西川さん たしかに! そのときのミームにしっかり乗ってCMやSNSでの情報発信を行っているのに、嫌な印象を持ったことがありません。
飯島さん 振り切っているところが良いのかもしれないです。楽しんでいる印象があります。わかりやすく商品もうつっているし、本当に食べたくなってきます。
s松村さん “同い年の友人がふざけました”感がありますよね(笑)。TikTokの投稿がたまたまバズっちゃった、みたいな。オリジナリティもすごくあって、ネタに全振り。こういうコンテンツ力があれば、Z世代に限らず自然に受け入れられるはずです。
──直接的に伝えていなくても、企業やブランドの意図は理解できてしまうものですよね。今回の座談会での皆さんの声が、今後のEC運営やマーケティングをより良いものにするヒントになると思います。ありがとうございました!
