商品提案の枠を超える “売り場”を意識させない仕組みとは
全国に約140店舗を展開する「PLAZA」。コスメや雑貨、菓子類、キャラクターグッズなど、多様な商品を取り扱っている。特に20代~30代の女性から支持を集めるブランドだ。近年は、EC販売にも注力。顧客接点を拡大しようとしている。
プラザスタイル カンパニーでマーケティングやEC運営を担当する岡芹氏は、冒頭で「24時間365日、いかにPLAZAの体験価値を提供できるかを考え、力を注いでいる」と語った。
「店頭では、中高校生が楽しそうに商品を選んでいる姿をよく見かけます。同じような体験を、実店舗だけでなくオンラインでも生み出したいと考えています」(岡芹氏)

また、デイトナ・インターナショナルは、2022年に自社ECサイトを「Daytona Park」としてリニューアルオープンした。社外ブランドも含め、実店舗とオンラインストアの両方に出店ができるOMOプラットフォームだという。運営責任者の加藤氏は「物販に限らず、NFTまでも取り扱っている」と話す。
そんな2社が登壇した本講演、最初のトピックスは「自社ECサイトの位置づけ」だ。
2024年2月にリブランディングを実施したPLAZA。「HEARTS UP!」をスローガンに掲げ、日常の心拍数を上げる「ライフモチベートブランド」へとアップデートした。それを支える一翼を、オンラインチャネルが担っている。
「自社ECサイトで重視しているのが、ギフトサービスやコンテンツの強化です。新商品は毎日入荷するため、2週間サイクルで販促チームやバイヤーチームが編集・セレクトしたプロモーションを実施し、PLAZAでしか味わえない体験や限定商品にこだわっています。
PLAZAでは、実店舗がもつ影響力が非常に大きいです。一方で、実店舗と自社ECサイトを併用しているお客様は、LTVが通常の3倍というデータが得られています。ロイヤル化を進める上で、オンライン上での体験をどれだけ作り込めるかが、事業成長のポイントですね」(岡芹氏)

デイトナ・インターナショナルの場合は、EC化率が60%を超える。EC事業が、同社の成長エンジンだ。
「NFTの販売やYouTube チャンネル『デイトナYOUTU部』など新鮮なコンテンツ施策を実施してみて、反応の良いものをほかにも展開する“ラボ”のような役割も担っています」(加藤氏)
同社の事業運営のキーワードは「服屋ではなく、好き屋」。アパレル企業でありながら、そのコンテンツは洋服やコーディネートの提案にとどまらない。
「当社は“好きのセレクト”を重視しています。新たな“好き”を見つける。“好き”が集まる。“好き”を共有する。こうした“好きの循環”ができる売り場を目指しているのです」(加藤氏)

では、具体的にどのような取り組みがそれぞれの顧客の心を射止めているのだろうか。特に成果が得られた施策の共有に話が進められた。