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ライバルが増える中で生き残るブランドの共通点とは
長く生き残っているブランドの共通点を考えたときに、大事な要素の一つは“人”であると思いました。私はストーリーテラーと呼んでいます。
その名のとおり、ストーリーテラーとは「物語の語り手」です。ブランドは、人に認知されてはじめて存在します。そして、誰かの共感を引き出してはじめてプロダクトが購入され、存続するための原資を得られます。その起点として、他の誰かが共感できる魅力的なストーリーを語ってくれる人が、非常に大きな役割を果たします。
「食べログ」などの口コミがもたらす影響が、わかりやすい例でしょう。やはり、人の心を動かすのは人からの伝達なのです。
だからこそ、熱量とストーリーをもって魅力を語れる人が内外に多いブランドほど、強く長く存続します。私がこの10年を通じて思うのは、「Minimal」は間違いなく、内外のストーリーテラーに支えられて続けられているということです。
プロダクト=長寿 話題=短命
ストーリーテラーを内外に増やしていくのが、ブランドを長く続けるための秘訣。それを大前提としてブランドの成り立ち、コア・コンピタンスの話に触れます。
これまでMinimalを運営し続けてみた所感ですが、長く愛されるブランドはプロダクト(素晴らしい商品・サービス)から始まっていると思います。反対に、短命に終わるブランドは、話題・噂やイメージが先行しているのではないでしょうか。
プロダクトにブランドの思想を込め、クオリティを上げ、供給量を増やし続ける。このサイクルを企業活動として回すことが、ブランド商売の原理原則です。そうしてプロダクトのクオリティが上がると、ファンとなってくれる人が増えます。供給量が増えると、認知も拡がっていきます。
長寿ブランドになるには、やはり根底に良いプロダクトが必要です。そして、プロダクトの魅力を磨き続ける=内外のファン(ストーリーテラー)を増やし続けることにもなります。お客様がそのプロダクトを通してブランドに触れ、好きになったり、ファンになってくれたりする可能性が高いからです。
独自の新しいメッセージをもったブランドが生まれる中で、必ず競合は現れます。また、優れたブランドはライバルから模倣されるケースが多々あります。そんな時代でも生き残るブランドの共通点の一つは、「社内外のストーリーテラー」=「ブランドに深く共感した根強いファン」が多く存在することなのです。