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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

10年続くブランドになる

「Minimal」山下氏・連載最終回 ブランドを続ける難しさと短命に終わる要因を独自視点で考える

ブランドの寿命を長くするグッドサイクルの作り方

 今回が本連載の最終回であるため、サブテーマでもある「D2Cブランドの今後」を少し考えてみたいと思います。ここから先の話は、次の記事を一読してからご覧いただけると、より理解を深められるはずです。

 この10年で、日本のマーケットにも多くの「D2Cブランド」が誕生しました。直接お客様にプロダクトを届けるD2Cは、一人ひとりに共感してもらうチャンスが多いです。そういう意味で、ブランドのストーリーテラーを増やしやすいビジネスモデルといえます。

 そのため、楽観的に考れば、D2Cブランドの多くが長寿ブランドになる可能性を秘めています。ただし、その中で淘汰されるものがあるとすれば、プロダクトに投資をしないからでしょう

 多くのD2Cブランドが、自社プロダクトの生産をOEMで外注しています。もちろん、OEMという形式自体には何も問題ありません。しかし、重要なのは時間とともに増えるファンの声をきちんとプロダクトの開発側にフィードバックし、投資し続けるかどうかです。ここにブランドの寿命はかかっています。

 そう考えると、早期に自社内にプロダクト開発の専門部隊を立ち上げ、マーケティングと同程度、もしくはそれ以上の予算を投下できる体制が整備できるD2Cブランドは、強いと思います。プロダクト開発に投資していれば、その品質は継続的に向上します。

 ストーリーテラーとは、ブランドを深く理解している人々です。そうした人々を増やすには、ある一定にわたって長い時間、ブランドに触れて、その良さを深く理解してもらわなければなりません。入り口として「このブランドのプロダクトが好き」という気持ちが芽生えれば、そのお客様はストーリーテラーのエントリー候補として最適です。

  1. プロダクトの魅力を磨き続ける
  2. ストーリーテラーの輩出
  3. ストーリーテラー達の声をプロダクトに反映
  4. さらなるストーリーテラーの輩出

 このグッドサイクルを構築できているかが、ブランドの寿命を左右する非常に重要な観点ではないでしょうか。

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顧客との出会いを増やすMinimal流コミュニケーション

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この記事の著者

Minimal - Bean to Bar Chocolate - 代表 山下貴嗣(ヤマシタ タカツグ)

カカオ豆の選定からチョコレート製造まで一貫して手掛けるクラフトチョコレートブランド「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」を設立。東京都渋谷区富ヶ谷への初出店を機に都内に4業態4店舗を出店。赤道直下のカカオ農園に自ら足を運び、100%フェアトレードでの買付と、毎...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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