2023年、復活する音楽イベント市場
コロナ禍のイベント自粛要請などで、ここ数年は縮小傾向にあった音楽イベント市場ですが、開催制限の撤廃や規制緩和により、2022年以降は回復傾向にあるといえます。同年のライブ・エンタテインメント市場規模は5,652億円となり、2019年比の約9割にまで回復しています(ぴあ総研調べ)。
また、2022年の音楽ポップス分野のフェスティバル形式イベントにおける市場規模は、前年比484.6%増の288億円と急速に回復。動員数も前年比401.9%増の241万人となっています。2019年時と比較しても、市場規模は87.3%、動員数は83.8%にまで回復しており、2023年の結果にも期待が寄せられる状況です(ぴあ総研調べ)。
主催者や施設の意向にもよりますが、2023年からは声出し解禁やマスク着用の任意化を進める音楽イベントも増えています。コロナ禍以前の賑わいを取り戻す会場も見られますが、運営面は「元通り」ではなく、コロナ禍を契機として幅広い領域で進んだDXによるアップデートが目立ちます。
たとえば、コンサート・ライブ会場の入場時や物販で用いられるシステムのオンライン・デジタル化、会場入場時にAIを用いた本人顔認証の実施などといったオペレーション面でのDXは、着実に進んでいます。また、イベント物販会場での待機列解消を目的とした事前通販受付(商品は会場受け渡し)や、オンラインでの事前販売によるEC売上比率の上昇など、変化が多岐にわたっている点も特徴です。こうした動きは、今後も不可逆的に進んでいくと見られます。