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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2022 Winter レポート(AD)

データ統合だけでは不十分 Brazeが語るOMOに向けたエンゲージメント向上の具体的な施策とは

 企業と顧客との関係性を表すエンゲージメント。その向上はOMOに欠かせない要素のひとつだ。ただ、具体的な施策を実行できているかというと、手立てを模索している企業も多いのが実状だろう。2022年12月1日開催の「ECzine Day 2022 Winter」では、エンゲージメントプラットフォームを提供するBraze株式会社から、アカウントエグゼクティブ 上村菜月氏、リードソリューションコンサルタント 廣川侑氏が登壇。エンゲージメント向上のためにできる戦略と手法を解説した。

「目指すべきところ」は顧客に最適化されたコミュニケーション

 顧客とのコミュニケーションを改善することが、エンゲージメント向上につながる。そう考えている企業は少なくないはず。しかし、Brazeが2022年に発表した報告書「2022 グローバルカスタマーエンゲージメントレビュー」によれば、リテール・EC企業の多くが具体的な施策の実行段階でつまずいている。

「顧客情報とインサイトを結びつけ、エンゲージメントへの転換や施策への活用ができていると答えたリテール・EC企業はわずか6%でした。また、アプリやメール、ウェブといった複数のチャネルを運営するリテール・EC企業の過半数が、チャネルごとに活用しているツールが違うことにより、顧客との会話が分断されていると答えています」(上村氏)

上村氏
Braze株式会社 アカウントエグゼクティブ 上村菜月氏

 つまり、顧客情報の収集やコミュニケーションツールの導入ができていても、最適化されたコミュニケーションにまではたどり着けていない状況だ。

 また同社は、株式会社博報堂とパートナーシップを締結し、2022年8月30日から9月2日にかけて「企業と生活者のオンラインコミュニケーションに焦点を当てたCRM実態調査」も実施。興味深い結果を得ている。その中でもとくに重要なポイントとして、上村氏は次の3つを取り上げた。

「ひとつめに注目すべきは、企業に対して『好感を持てる』と回答した人の7割以上が、その企業に対して『生活者個人を理解し、コミュニケーションしている』と答えていることです。

 ふたつめには、企業がコミュニケーションを生活者自身の望む形に改善した場合、8割以上が『継続購買意向が高まる』『企業への信頼感が高まる』など、その企業への印象やかかわりかたに影響すると回答したことが挙げられます。

 3つめに、企業との情報接触時とくに重視することとして、『わかりやすさ』『気軽さ』『適切な情報』『最適なタイミング』が上位4つを占めていたことも、見逃せないポイントです」(上村氏)

博報堂調査結果
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 これらの結果からは、企業が顧客とのコミュニケーションに課題を感じている一方、やはり顧客ごとに最適化されたコミュニケーションが求められていることがわかる。では、企業は自社が抱える課題に対して何ができるのか。上村氏は調査結果により「目指すべきところが明確になった」と述べ、Brazeによるエンゲージメント向上の可能性に言及。詳細な機能の紹介へ話を進めた。

リアルタイムなアプローチが差をつける ユースケースから見る活用術

 Brazeは、メールやモバイルプッシュ、アプリ内メッセージ、SMSなど複数のチャネルをまたいで効果的にメッセージを配信、顧客とのエンゲージメント向上に貢献するソリューションだ。昨年Brazeから配信されたメッセージ数は1.5兆にのぼり、それらをほぼ100%止まることなく処理している。

「Brazeの目指すところは、ヒューマンコネクションという温かみのあるエンゲージメントです。従来のエンゲージメント構築ツールでは、企業が顧客に伝えたいことを一方的に送り続けるケースが多く見受けられました。Brazeでは、顧客へ多角的にアプローチできるチャネルやタッチポイントを備えており、メッセージに対する反応やアプリの利用状況などから、適切な内容やタイミング、チャネルを選択することができます」(上村氏)

 Brazeの役割は「顧客に耳を傾ける」「顧客を理解する」「顧客と対話する」の大きく3つだ。その中でも、次の図のような5階層に分けられたフローを通じて、メッセージを配信する。

5階層
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「最上部に位置する『データ取り込み』では、顧客の属性や行動情報の取り込みに加え、外部の倉庫情報や公開されている気象情報も参照されます。ロゴが表示されているように、データウェアハウスやクラウドストレージ、CDPなどとの連携も可能です。

 データを取り込んだあとは、ステータスや状況に応じてセグメントを作る『セグメント化』、メッセージの頻度や配信のタイミングなど細かい設定をする『オーケストレーション』へとフローが続きます。

 そして、メッセージの内容やチャネル、タイミングの『パーソナライズ化』を経て、メッセージを配信する『アクション』が行われるという流れです」(上村氏)

 「データ取り込み」から「アクション」に至るまで、処理にかかる時間は約1秒。配信されたメッセージに対する顧客の反応や結果は、リアルタイムでBraze内にフィードバックされ、情報が常に更新される仕組みだ。この仕組みが、タイムラグによるミスコミュニケーションの防止にもつながると言う。

 Brazeの基本的な仕組みに続けて、上村氏はBrazeの特徴的な機能である「ジオフェンス機能」と「コネクテッドコンテント機能」を紹介した。

「ジオフェンス機能は、設定した特定のエリア内にいる顧客に向けてメッセージを配信する機能です。モバイルアプリから位置情報を取得し、リアルタイムでメッセージを配信できます。これにより、店舗の半径200m以内にいる顧客に対してプッシュ通知を配信するといったことが可能になります。

 また、コネクテッドコンテクスト機能では、メッセージを送る瞬間に外部情報へアクセスし、送る内容をパーソナライズ化します。たとえば、ユーザーがお気に入り登録している商品の在庫情報を確認し、在庫数が残り少ない場合には『お急ぎください』といったメッセージを送ることができます。位置情報や天気情報に合わせてメッセージの内容を変更することも可能です」(上村氏)

 とくに位置を指定してメッセージを配信するジオフェンス機能では、顧客の動きを逐一把握しておく必要がある。上村氏は「Brazeの性能だからこそ、リアルタイムで動きを把握することができる」と強調。このふたつを含めたBrazeの機能を、実際にどう活用できるのか、ユースケースを用いてより詳細な活用イメージを提示した。

ユースケース1:アパレル企業における店舗への来店促進

 たとえばアパレル企業では、顧客がどんな商品を閲覧・購入したかを参照し、興味関心に合わせてメッセージ内容をカスタムするといった使いかたができる。店舗への来店を促す際には、店舗ごとのキャンペーンやタイムセールなどのお知らせを配信するとより有効だ。

 店舗付近にいる顧客に対象を絞り、リアルタイムで顧客の行動に合ったメッセージを配信。コミュニケーションのミスマッチを防ぐため、店舗に商品の在庫がある場合に絞って配信するといった制御の検討も必要となる。

ユースケース1
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ユースケース2:レストランにおけるピーク時の混雑緩和

 顧客によるこれまでの利用状況を蓄積、来店傾向を分析するBrazeは、リテール・EC企業以外でも活用の幅が広い。

 ユースケース2のレストランの場合、お昼時に来店数が増加し混雑のピークを迎えると予想できる。そのため、混雑を避けてスムーズなオペレーションを実現するための施策を提案する。

 たとえば、これまでの来店時間にばらつきがある顧客へ、お昼時を避けた14時から15時の間のみ使えるクーポンを配布しピークを分散。店舗のオペレーション負荷を軽減させるといった施策が考えられる。同様のメッセージを、送客したい店舗だけに絞って送るという使いかたも可能だ。

ユースケース2
クリックすると拡大します

Brazeで実現するエンゲージメント向上 施策実行までの具体的なステップ

 セッション後半では、廣川氏からBrazeの具体的な操作方法が説明された。

廣川侑氏
Braze株式会社 リードソリューションコンサルタント 廣川侑氏

顧客情報の掛け合わせでより緻密化されたメッセージ配信へ

 Brazeのデータベースには、例として次のような顧客情報が蓄積される。

  • 年齢や性別といった属性、連絡先などのプロフィール情報
  • お気に入り登録しているアイテムやブランド情報
  • 購入情報
  • 顧客の行動情報
  • 保有しているポイント情報

 「顧客情報の掛け合わせが、より精緻化されたメッセージにつながる」と廣川氏は言う。メッセージに対する顧客の反応は、リアルタイムでデータベースに反映。顧客の反応に合わせて、次のコミュニケーションにおける条件分岐や開封時のアプローチが決まる。

 データを基にターゲットを絞り込む段階では、画面上のクリック操作で設定が完結する。ここにも、Brazeの強みがあると廣川氏は補足した。

「年代や性別などの条件を選ぶごとに、到達可能なユーザー数がリアルタイムで表示されます。ターゲットの対象者数に応じて条件を厳しく設定したり、逆に条件を緩めて対象を広げたりと、トライアンドエラーを重ねることができるUIです」(廣川氏)

OMO施策実施に向けた5つのステップ

 廣川氏は、前出のユースケース1を取り上げ、デモンストレーションを実施。ここでは、紹介された5つのステップを解説する。

シナリオ
クリックすると拡大します

ステップ1

 「顧客にどのような状態になってほしいか」という、コンバージョンポイントを設定する。ユースケース1の場合、「購入」がコンバージョンポイントとなるが、複数設置することも可能だ。たとえば、「店舗に何人送客できたか」といった中間指標をコンバージョンポイントとして追加し、数字を追うこともできる。

ステップ2

 どのタイミングでシナリオを発動させるかを設定する。発動のトリガーは次の3つから選ぶことができる。

  • スケジュールベース:定期的な配信など、特定の日時によって発動
  • APIトリガー:在庫情報の変動や新しい記事の公開など、情報ごとにAPIをリクエストすることで発動
  • アクションベース:ユーザーの行動に基づいて発動

 ジオフェンス機能を用いて、店舗の場所を起点に「半径何メートル以内」といった設定を行うユースケース1は、3つめの「アクションベース」に当たる。

ステップ3

 同ステップでは、細かいセグメントの絞り込みを行う。ここで注意すべきは、シナリオを強制終了する条件の設定だ。ユースケース1では、ユーザーがエリアの範囲外に出たらシナリオを終了するように設定。これにより、ジオフェンス機能で設定したエリア外の顧客へ店舗情報を送るといった、ミスコミュニケーションを防ぐ。

ステップ4

 ここで行うのは、送信設定だ。とくに重要なのは1日もしくは週に何通以下といった、頻度の調整である。頻度を調整することで、顧客にとってノイズとなる得る過度な接触を避けることができる。

ステップ5

 「キャンバスの作成」で、実際のシナリオを登録する。メールやプッシュ通知、アプリ内でポップアップを表示するなど、実行したいシナリオをドラッグアンドドロップで設定。「メッセージの文面に顧客の名前を表示する」「お気に入りアイテムの情報や在庫情報をメッセージに反映する」といった細かい設定もここで行うことができる。

 メッセージの送信後は、必ずしもすべての顧客が開封するとは限らない。そこで、メッセージの配信後に行いたいのが、分岐条件の設定だ。「入店済みの顧客」「開封済だが未入店の顧客」「そのほか」など、グループを分けておくことでユーザーを自動的に振り分け、それぞれに設定したシナリオが実行される。シナリオとしては、「来店した顧客に対して当日その場で使えるクーポンを配布する」などのアクションが、例として挙げられる。

 なお、既存スクリプトを適用すれば、クーポンにScratchで作ったアニメーションを追加するといった仕掛けも可能だ。実際に、クーポンでは文章のみの配布に比べ、アニメーションなどの仕掛けを加えたほうが、使用率が3倍になった事例もあるとのこと。

 廣川氏は最後に、「シナリオを設定して満足してしまうのは、非常にもったいない」と施策実行後の分析の大切さを説明。「Brazeでは、実行した施策の結果をレポートとして評価する仕組みも持ち合わせています。コンバージョンにつながった施策を可視化して、場合によってはA/Bテストへの発展も考えられるでしょう。勝ちパターンを見出すためのPDCAサイクルを、簡単に回せる仕組みがBrazeにはあります」と付け加え、セッションを終えた。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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