「目指すべきところ」は顧客に最適化されたコミュニケーション
顧客とのコミュニケーションを改善することが、エンゲージメント向上につながる。そう考えている企業は少なくないはず。しかし、Brazeが2022年に発表した報告書「2022 グローバルカスタマーエンゲージメントレビュー」によれば、リテール・EC企業の多くが具体的な施策の実行段階でつまずいている。
「顧客情報とインサイトを結びつけ、エンゲージメントへの転換や施策への活用ができていると答えたリテール・EC企業はわずか6%でした。また、アプリやメール、ウェブといった複数のチャネルを運営するリテール・EC企業の過半数が、チャネルごとに活用しているツールが違うことにより、顧客との会話が分断されていると答えています」(上村氏)
つまり、顧客情報の収集やコミュニケーションツールの導入ができていても、最適化されたコミュニケーションにまではたどり着けていない状況だ。
また同社は、株式会社博報堂とパートナーシップを締結し、2022年8月30日から9月2日にかけて「企業と生活者のオンラインコミュニケーションに焦点を当てたCRM実態調査」も実施。興味深い結果を得ている。その中でもとくに重要なポイントとして、上村氏は次の3つを取り上げた。
「ひとつめに注目すべきは、企業に対して『好感を持てる』と回答した人の7割以上が、その企業に対して『生活者個人を理解し、コミュニケーションしている』と答えていることです。
ふたつめには、企業がコミュニケーションを生活者自身の望む形に改善した場合、8割以上が『継続購買意向が高まる』『企業への信頼感が高まる』など、その企業への印象やかかわりかたに影響すると回答したことが挙げられます。
3つめに、企業との情報接触時とくに重視することとして、『わかりやすさ』『気軽さ』『適切な情報』『最適なタイミング』が上位4つを占めていたことも、見逃せないポイントです」(上村氏)
これらの結果からは、企業が顧客とのコミュニケーションに課題を感じている一方、やはり顧客ごとに最適化されたコミュニケーションが求められていることがわかる。では、企業は自社が抱える課題に対して何ができるのか。上村氏は調査結果により「目指すべきところが明確になった」と述べ、Brazeによるエンゲージメント向上の可能性に言及。詳細な機能の紹介へ話を進めた。