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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

おさえておきたいEC・通販先進企業

モノタロウは“現場の味方”  豊富な品揃えと公正な価格で、事業拡大を続ける


 株式会社MonotaROが運営する「モノタロウ」は、建設業や製造業などの現場で必要な工具や備品などを販売している通販サイトです。今回は、株式会社MonotaROの基本的な特徴や事業内容、サービスの強みや最新動向などを紹介します。

 株式会社MonotaROは、約1,800万点の膨大な商品数を取り扱う通販サイト「モノタロウ」を運営している会社です。当初は工具や備品など製造業や建設業で使う商品を中心に取り扱っていましたが、現在ではオフィス用品や日用品など、取扱商品の幅が広がっています。

 商品を卸価格で購入できる点がモノタロウの魅力であり、日本ネット経済新聞が発表した2021年版「ネット通販売上高ランキング」で4位と、高い支持を得ています。

  本記事では、株式会社MonotaROの企業情報や事業内容、サービスの特徴や最近の動向などを解説しながら、モノタロウのビジネスに迫ります。

株式会社MonotaROの企業情報・事業内容の概要

物流倉庫のイメージ
画像はイメージです

 株式会社MonotaROがどのような会社なのか、まずは基本情報から見ていきましょう。

株式会社MonotaROの企業情報

 株式会社MonotaROの基本的な企業情報は、次のとおりです。

社名 株式会社MonotaRO
本社所在地 兵庫県尼崎市竹谷町2-183 リベル3F
設立年月日 2000年10月
代表者名 代表執行役社長 鈴木雅哉
株式公開 東証プライム市場上場
資本金 19億9,387万円(2021年3月31日現在)
おもなグループ会社 NAVIMRO Co., Ltd.
PT MONOTARO INDONESIA
IB MONOTARO PRIVATE LIMITED

 株式会社MonotaROは、2000年10月に住友商事株式会社とアメリカのグレンジャー社の出資によって設立されました。

株式会社MonotaROの事業内容

 通販サイト「モノタロウ」では、現場作業で使用する工具や備品、オフィス用品、消耗品など、約1,800万点の商品を取り扱っています。卸価格で販売しているほか、多数展開しているオリジナル商品ではさらなるコストダウンを実現しています。

  また、ユーザー登録を行えば法人だけでなく個人事業主や一般ユーザーも利用できます。

株式会社MonotaROの沿革

データのイメージ
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 株式会社MonotaROの会社設立から現在に至るまでの流れをまとめました。

年月 沿革
2000年10月 住友商事株式会社と米国グレンジャー社の出資により住商グレンジャー株式会社設立
事業主向けサイト「MonotaRO.com」オープン
2001年11月 間接資材調達サイト全国展開。本格営業開始
2004年7月 第1のプライベートブランド「モノタロウ」販売開始
2006年2月 株式会社MonotaROに社名変更
2006年6月 消費者向けサイト「IHC.MonotaRO」オープン
2006年12月 東証マザーズ上場
2008年5月 自動車関連業界向け商品販売事業に参入
2009年12月 東証一部上場
2010年4月 海外輸出事業開始
2014年5月 農業資材・厨房用品販売事業に参入
2015年5月 医療・介護用品販売事業に参入
2016年10月 インドネシアMRO市場に進出
2018年2月 中国MRO市場に進出
2020年9月 インドMRO市場に進出

 通販サイト「モノタロウ」を中核に据えた事業運営を行い、取り扱う商品ジャンルや市場を年々拡大させています。また、積極的に物流拠点を開設することで、スムーズな配送を可能にしています。

株式会社MonotaROの強みや特徴

配送トラックのイメージ
画像はイメージです

 株式会社MonotaROは会社設立から20年ほどの企業ですが、積極的な投資や取扱商品のジャンルを年々増やしてきた成果もあり、売上規模を拡大しています。ここでは、同社が展開するサービスの強みや特徴について見ていきましょう。

おもなビジネスモデルと強み

 通販サイト「モノタロウ」では「現場を支えるネットストア」をキャッチコピーに掲げ、工場用間接資材をメインで取り扱っています。

 工業用間接資材とは、製造業の現場で使用する資材のうち、原材料や部品などの直接資材を除いたすべての資材を指します。具体的には、切削工具や研磨剤などの工作用資材、梱包や清掃、事務用品に至るまで幅広い商品を含みます。

 間接資材は直接資材と比べて種類が多いので選ぶのに時間がかかり、必要とするタイミングも不定期という課題がありました。また、商流が多段階であり、一度の購入量が少ない中小企業の場合、割高な価格で購入しなければならない状況に置かれていました。

 こうした課題をいち早く見つけ、間接資材を分かりやすい価格設定で素早く購入できる仕組みを作ったのが、モノタロウです。

  株式会社MonotaROが順調な成長を遂げている背景には、事業成長サイクルの存在があります。取扱商品点数を拡大させることで顧客数増加につなげ、さらに在庫点数を増やすことで納期の短縮や利便性の向上を実現し、売上拡大につなげるという仕組みです。具体的には、49万点以上の商品を在庫として保管しており、平日15時までの注文は当日出荷の対象としています。

事業成長サイクル
画像出典「当社事業について | 個人投資家の皆様へ | IR情報 | 株式会社MonotaRO」掲載画像を編集部で作成し直しました

また、モノタロウを一度利用したユーザーは継続して注文する傾向があり、顧客単価の伸びにつながっている点も成長の理由といえるでしょう。

 同社の強みとしては、データベース活用による低コストで効率的な販売・通販を実現している点が挙げられます。また、ワン・プライス主義による公正でわかりやすい価格設定や、1年間の返品保証など、顧客満足度を第一に考えた仕組みを整えているところも強みといえます。

展開しているサービスの特徴

モノタロウにはおもに2つの特徴があります。

 ひとつ目は「豊富な品揃え」です。ホームセンターで取り扱っている商品点数は一般的に20万点ほどであるのに対して、モノタロウでは約1,800万点のアイテムを取り扱っています。ニッチな商品も豊富にそろえているモノタロウだからこそ、一度利用すれば高い満足度を得られ、再度利用したくなるのです。

 ふたつ目の特徴は「即納体制」です。株式会社MonotaROは物流拠点の整備に多額の投資を行っていますが、その背景には、受注後すぐに届ける「即納体制」という事業戦略があります。49万点以上の在庫を常にストックすることで安定的な販売を実現し、ユーザーの利便性や業績の向上につなげているのです。

株式会社MonotaROの最近の動き

物流倉庫のイメージ
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 毎年さまざまな取り組みを行っている株式会社MonotaROについて、ここでは最近の動向を紹介します。

農業資材・厨房用品の通販に本格参入

 株式会社MonotaROは、2014年から農業資材と厨房機器の通信販売事業に本格参入しました。農業資材では農具のほかに除草剤や培養土といった肥料や農薬、農業用機器などを、厨房機器では料理器具や調理器具などを豊富に取りそろえています。

 より安価で高品質なプライベートブランド商品の開発にも力を入れており、年々商品点数を増やしているのが特徴です。

 また、翌2015年には医療・介護用品の販売事業にも参入するなど、ユーザーの需要に合わせて販売商品カテゴリーを拡大しています。

AR機能を活用した「ハセガワAR」と連携

 2019年10月3日には「ハセガワAR」との連携を発表しています。長谷川工業株式会社が開発したハセガワARを通販サイト・モノタロウと連携させる取り組みです。

 具体的には、長谷川工業製の脚立やはしご、三脚といった商品ページにハセガワARの読み取りコードを設置するというものです。これによってユーザーは、スマホなどの端末でコードを読み取れば、商品を置きたい現場に原寸サイズでどのように配置できるかを一目で確認できます。

 サイズの間違いを事前に防ぐこともでき、商品購入までの流れもスムーズになるでしょう。

オーダー管理システムを高度化

 株式会社MonotaRO は、オーダー管理システムを高度化し、DXを推し進めることを2022年4月5日に表明しました。自社の物流情報だけでなく、サプライヤーの在庫情報もシステムとして統合することで、入荷・入庫・配送などにかかるコストの適正化や在庫引当機能の高度化を目指すものです。

 システムの高度化によって、受注機会損失の低減やプラットフォームのさらなる効率化、商品到着時間の短縮、物流コストの抑制などが期待されています。

目を通しておきたいモノタロウのトピックス

2024年6月27日:モノタロウ、配送日時指定サービスを開始 ヤマト運輸と連携を強化し顧客体験・満足度の向上へ

MonotaROは、より利便性の高い顧客フルフィルメント・サービスを実現するべく、ヤマト運輸との連携強化の旨を発表。既に実施している置き配サービスの対象拡大、翌日配送エリアの拡大、土日配送の取り組みを、今後さらに広域展開するだけでなく、顧客が自分で配送日時を指定できるサービスを一部注文から開始。当日出荷の注文締切時間の延長も順次実施する予定となって。

2023年11月29日:モノタロウ、法人・個人事業主を対象に不在時置き配サービス開始 利便性向上と物流問題解決に貢献

 MonotaROは、商品受け取り時の利用者の利便性向上と、配送ドライバーの負担を減らし、再配達時におけるCO2排出を削減する取り組みとして、「不在時置き配サービス」を開始した。

2022年9月27日:モノタロウ、安全機材や建設資材のレンタルサービスを9月27日(火)に開始。建設・工事業の業務を効率化しコスト削減に貢献

MonotaROは、2022年9月27日(火)より安全機材や建設資材6商品のレンタルサービスを開始した。

2022年8月9日:モノタロウ、物流2拠点に再生可能エネルギー電力を導入。実質59.8%のCO₂削減を実現。脱炭素社会への取組みを推進

MonotaROは、茨城県に保有する2つの大型物流センターの使用電力を、2022年7月1日に実質再生可能エネルギーの電力に切り替えたことを発表した。

2022年7月21日:お互いを認め合い、働き続けたい会社に。モノタロウ、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めるスローガン「MoRE!」発表

MonotaROは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するためのスローガン「MoRE!」を発表した。

2022年6⽉22日:【産学協働プロジェクト】モノタロウと鈴⿅高専、PB商品の顧客満足度向上を目指す「MonotaRO 品質評価室」設置

MonotaROは、鈴鹿工業高等専門学校とともに、モノタロウプライベートブランド商品の安全性や品質のさらなる安定・向上に努め、顧客満足度の向上を目指す、産学協働の研究室「MonotaRO 品質評価室」を2022年7月6日に鈴鹿高専に設置する。

2022年6月1日:モノタロウが15億円を出資。アルダグラム社(プロジェクト管理アプリ事業運営)と提携 〜建設・工事業の全体工程管理の効率化を推進。業務提携により顧客へ更なる価値提供を実現~

MonotaROは、アルダグラムに出資を実施した。アルダグラムが運営するプロジェクト管理アプリ「KANNA」を通じ、事業領域の拡大を図る。

2022年5月26日:モノタロウ、トレードシフトとのパンチアウト連携を開始 ~大企業向け購買システムの範囲拡大で、ユーザーの利便性向上を加速~

MonotaROは、グローバルな電子取引プラットフォーム「Tradeshift」を提供するトレードシフトジャパンと、事業者向け通販サイト「モノタロウ」の電子カタログ連携(パンチアウト連携)を開始したことを発表した。

2022年4月20日:モノタロウ 医家向け管理医療機器の販売を2022年4月20日より開始 〜忙しい医療現場の、資材調達の効率化に貢献。新規取り扱い3,900商品~

MonotaROは、医療従事者の方の間接資材調達における手間や時間を省き、より利便性を感じてもらうため、2022年4月20日より管理医療機器の取り扱い範囲を拡大し、医家向け管理医療機器の取り扱いを開始した。

2022年3月24日:モノタロウ、間接資材調達の課題解決イベントMonotaRO Day for Enterpriseを開催 ~企業の改革を推進するリーダー向け1DAYオンラインイベント~

工業用間接資材通信販売を営むMonotaROは、初の大企業向けオンラインカンファレンスイベント「MonotaRO Day for Enterprise」を開催する。

2022年3月9日:モノタロウ 女性活躍推進企業として「えるぼし」の3つ星認定を取得 ~SDGs ダイバーシティ&インクルージョン推進部会 妊娠中の働き方もサポート~

工業用間接資材の通信販売を行うMonotaROは、女性活躍推進企業として「えるぼし」の3つ星認定を取得した。

2022年1月12日:モノタロウのエンジニアが登壇 ITクリエイター向け『Yahoo! JAPAN Tech Conference 2022』2⽉3⽇、4⽇開催

工場用間接資材の通信販売を行うMonotaROは、ITクリエイター向けオンラインイベント『Yahoo! JAPAN Tech Conference 2022』のパネルセッションに登壇することが決定した。

まとめ

 株式会社MonotaROは、通販サイト「モノタロウ」を運営している会社であり、事業者向け工場用間接資材の通信販売を中心に事業展開を行っています。データベースを活用した低コストで効率的な販売体制の確立、分かりやすい価格設定などが同社の強みであり、現場を第一に考えている企業です。

 海外市場への進出も積極的で、品揃えの豊富さから多くのユーザーに支持されています。DX化やIT化への取り組みもいち早く進めており、コロナ禍においても業績が堅調な成長企業といえるでしょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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