デジタルで接触してから来店 スタッフや店舗に親しみ
マスターウォールのYouTubeアカウントにアップされている、もっとも古い動画は2014年のもの。その後、商品紹介や家具のメンテナンス方法の動画などが続くが、2021年の「【一問一答】インテリアのプロに50の質問:前半」を機に、店舗スタッフの登場頻度が高まる。
「ローカルのテレビCMなども放映していたことから、動画制作・活用の実績は長く、動画制作専任のスタッフもおります。社内で『動画をやってみたいか』と尋ねると、自ら手を挙げるスタッフが出てきてくれました。一問一答の動画は直営店の店長が登場しています。新しいことに挑戦したいという者がいれば、積極的に背中を押す社風です。ドローンの資格を取得する者もおります」
マスターウォールの動画を中心としたデジタル接客の目的は、顧客の利便性向上だ。顧客がその時々で都合の良い、接客スタイルを選べるよう、環境を整えることに注力している。売上向上よりは、カスタマーサクセスの一環としてとらえている。
コロナ禍を受けて迅速に取り組んだデジタル接客により、リアルでの接触が難しい場合にデジタルで顧客とのコミュニケーションが行えるようになっただけでなく、他にも良い点が見つかった。
「家具の価格帯や店舗の雰囲気から、敷居の高さを感じ、入りづらいと感じていらっしゃるお客様も一定数いらっしゃいました。ライブ配信やデジタル接客を行うことで、どのようなスタッフがいるのか、人柄はどうか、提供しているサービスにはどのようなものがあるか、といったことをお客様に事前に知っていただけるようになりました。ご来店の際に、『ライブ配信に出ていましたよね』といったお声がけをいただくことも増えています」
会社も動画活用を支援し、社員も動画制作や出演に積極的と、追い風ムードのマスターウォール。YouTubeやIGTVなどで活用している動画データを最適な容量に圧縮し、自社サイトでストリーミング配信できる「visumo video」を導入し、自社ECサイトでの動画コマースに踏み切った。
「代表からも動画コマースをやりたいという話が出ており、いくつかサービスを探していました。自社ECサイトを構築したecbeingさんからご紹介いただき、『visumo video』を知りました。ECサイトから離脱せずに動画を見続けることができる点に魅力を感じ、導入させていただきました」