レストランを例に考える 1回で満足する店とリピートしたい店の違いとは
悩みに悩んで、探しに探して、ようやく予約したレストラン。クチコミも見た。お店の写真も見た。期待に胸を膨らませていざ、レストランに入店──誰しもこのような経験はお持ちではないでしょうか。むしろ、それで失敗した経験も数知れず、という方も多いのではないでしょうか。
こうした経験から2度3度と通う、いわゆる「行きつけのレストラン」が生まれたケースはどの程度存在しますか?外食した回数から考えると、行きつけのレストランとなる確率は非常に低いのではないでしょうか。1度しかいったことがないレストランのほうが圧倒的に多い。こうした方も多いと思います。
また、数々の1度しか行ったことがないレストランの中で、値段も料理にも満足していて、かつ行こうと思えば比較的すぐに行ける距離にあるレストランを思い浮かべてください。そして「なぜ1度しか利用していないのか」と考えてみてください。
お店の雰囲気が合わなかったですか? 店員が不愛想でしたか? お手洗いが汚かったからですか? 大きな決め手がなく「なんとなく」と思われる方は、その「なんとなく」の理由を掘り下げてみてください。
そして、反対によく行くレストランがある方は、そこに頻繁に訪れる理由を考えてみましょう。
お店の雰囲気がとても良かったからですか? 店員が気さくで愛想が良いからですか? 隅々まで掃除が行き届いていて、過ごしやすい空間だったからですか?
1度しか訪れていないレストランも、何度も通っているレストランも「なんとなく合わなかった」「なんとなく良かった」と感じる理由を掘り下げると、実はお店全体の雰囲気や店員の接客が理由になっている方が多いのではないでしょうか。これをECに置き換えて考えてみたいと思います。
「行きつけのEC」になる リピートし続けてもらうための大切な要素
昨今のEC業界は新規参入が激しく、そもそも新規顧客の獲得自体が難しくなっています。ECの中でもとくに定期通販モデルにおいては、長く商品を購入し続けてもらうこと、つまりLTVを向上することが大切と言えますが、多額の広告費などをかけてせっかく新規顧客を獲得しても、類似商品が他社から出るとすぐに「あっちのほうが良さそう」「安いから」と解約されてしまう点を課題と感じている方も多くいるのではないでしょうか。
では、長く購入し続けてもらう、つまり「行きつけのレストラン」のような存在になるには何をすべきか考えてみましょう。ほかのブランドよりも価格が安ければ良いのでしょうか。それとも成分が特異なものであれば良いのでしょうか。たしかに、これらも購入時の大きな選択材料であることは間違いありません。しかし、継続購入にはさらに別の要素がかかわってきます。