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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

リピートにつなげる顧客対応のありかた

コールセンター×LINE活用で広がる可能性 既存チャネルの短所をカバーし体験向上とコスト削減の両立へ

 ものやサービスが世の中にあふれる現代。1回しか選ばれないブランド・商品と、何度も選ばれるブランド・商品の違いはどこにあるのでしょうか。当連載では、ブランディングとチャネル活用をフックに、リピートにつなげる顧客対応のありかたを考えていきます。第3回のテーマは、「LINE接客で実現する効率化とコスト削減」です。

電話、メール、LINE コンタクトチャネル活用時の特徴をおさらい

 前回の記事では、コンタクトチャネルのDX化の必要性についてお伝えしました。その中で事業者側とのコミュニケーション手段としてLINEを求める顧客が多い旨に触れましたが、今回はLINE接客による事業者側のメリット、つまりは「効率化」と「コスト削減」についてご説明しようと思います。

 この後の内容理解をより深めていただくため、本題に入る前にコンタクトチャネルとしての電話、メール、LINEそれぞれの特徴と違いをご紹介します。

 まず、皆さんがある企業や店舗に連絡を取ろうと考えた際、真っ先に思いつく連絡手段は何でしょうか。おそらく多くの方が「電話」もしくは「メール」と答えるのではないかと思います。では、もしその企業や店舗にどちらの連絡手段も備えられていた場合、電話とメールどちらで連絡をするでしょうか。また、それぞれの手段を選ぶ違いは何でしょうか。

 おそらく、電話を選ぶ人は「今、聞きたい」「今、解決したい」といったように、緊急性が高い事案が発生したケースが多いのではないでしょうか。もしくは、質問や伝えたい内容が複雑で直接対話したほうが早いと判断した場合も、電話が良いと考える方が多いでしょう。

 では、メールはどうでしょうか。おそらく電話と逆でいつ返答をもらっても良い「ちょっとした疑問」や「簡単な質問」など、緊急性が低いライトな内容の際に選ぶことが多いのではないかと思います。企業や店舗によっては電話の窓口を表向きに設けておらず「仕方なくメールで」となるケースや、電話窓口の営業時間中に問い合わせが難しいから「返事が遅くてもメールで送っておこう」と考える方もいるでしょう。もしかすると「やり取りの証拠を残したいからメールで」「電話が嫌いだからメールで」という方もいらっしゃるかもしれません。

 こうした一長一短が存在する電話やメールに対し、最近注目されているのがLINEという手段です。LINEは、私たちが日頃使っている用途と同様に、手軽に簡単にいつでも気兼ねなく送ることが可能な点にメリットがあると言えます。

 また、質問や回答が文字で残るため、複雑な内容でもお互いに見直して理解を深めながらやり取りをすることが可能です。こうした点はメールとも共通していますが、やり取りの最中にふと浮かんだ疑問・質問について、どの話題についての言及か明確にしながら話を進めることができる点は、メール以上に便利だと言えるでしょう。電話に求める対話の要素とメールの気軽さ、証拠が残せる要素双方をカバーしているのが、LINEが重宝される理由のひとつと言えます。保険関係や公共インフラのやり取りなど契約が絡むケースにおいて、非常に便利です。

 画像や動画を送ることができる点も、LINEで顧客対応を行う上では非常に有効に作用します。言葉による説明の補足材料として画像を添付すれば、より双方が明確に理解を深めることが可能です。たとえばインターネット接続に関するカスタマーサポートセンターなどであれば、クリックする項目や入力欄を画像や動画でお伝えすることで、よりスピーディーに解決ができます。このように使いかたや操作方法など、ステップを踏むものは口頭や文字のみで説明するよりも、双方を併せた対応が喜ばれるでしょう。

 LINEは、受信・返信についても特徴を持っています。「顧客がいつでも聞きたい時にメッセージを送ることができる」という点はメール同様ですが、返信について「LINEで受け取った問い合わせはすぐに返信(回答)しなければならない」と考え、ためらう事業者の方も多いのではないでしょうか。

 しかし、LINEの問い合わせの中には即時性が求められているものだけでなく、「気軽に送れるから問い合わせるけど、返信はいつでも良い」と考えているケースも多く存在します。すると、返信までの期限についてはメールと同様の考えかたで問題ないとおわかりいただけるかと思います。つまり、LINEは電話とメールの良いところを押さえた特徴を持ち合わせていると言えます。

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この記事の著者

株式会社ライフェックス CRM Division General Manager 高井真吾(タカイシンゴ)

2005年にコールセンターベンダーに入社。アルバイトのオペレーターから始まり、リーダー、SV、グループ長、センター長を経験。その後、営業副部長として新規営業及び既存ソリューション提案に従事。通販企業、D2C企業のコールセンターの立ち上げ及び運用を200社以上行い、さまざまな運用改善及び運用マネジメン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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