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ECzine Day 2022 Winter

2022年12月1日(木)10:00~16:10(予定)

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2022年秋号(vol.22)
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リピートにつなげる顧客対応のありかた

顧客窓口のOMOも欠かせぬ時代へ ハイブリッド対応できる導線設計・組織改革時の注意点を考える

 ものやサービスが世の中にあふれる現代。1回しか選ばれないブランド・商品と、何度も選ばれるブランド・商品の違いはどこにあるのでしょうか。当連載では、ブランディングとチャネル活用をフックに、リピートにつなげる顧客対応のありかたを考えていきます。第5回のテーマは、「ハイブリットな顧客コミュニケーションのありかた」です。

電話応対の立ち位置を明確にすると、DXすべき領域が見えてくる

 当連載では、これまでLINEを活用した顧客コミュニケーションの大切さや、近年の顧客が望むコミュニケーション手法についてお伝えしてきました。

 第2回のように「コールセンターのDX化」、第3回のように「コールセンター×LINE活用」とお伝えすると、「電話による対応は今後なくなっていくのか」「電話はもう必要ないのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解です。電話での顧客対応はこれからも残り続けるでしょうし、必要なチャネルであることに変わりはありません。今後は顧客のご要望や対応する内容に応じて、電話やLINEなどさまざまなチャネルを横断する時代になる。そして事業者側はこれらのチャネルを駆使して、より良い情報を必要な顧客に届けることが求められる。私はそう考えています。

 コンタクトセンター界隈でDX化、ノンボイス化が謳われるようになったのは、2014年から2015年頃からととらえています。「コールセンターは今後なくなる業種」と言われてきたのは、それ以前からです。電話応対はすべてAIに取って代わり、自動応答になると言われていました。

 しかし、私はAIによる自動応答のみですべての応対が完結することはないと思っています。また、メール・チャット・LINEといったノンボイス対応のみになることもないと見ています。これは技術がどれだけ進歩しても、必ず人が電話で対応しなければならない領域は残り続けると考えているからです。例としては、高度なテクニカル領域、複雑な個々の事情を考慮すべき内容や安心感を必要とする対応などが挙げられるでしょう。

 とくに個々の事情を考慮すべき内容については、どう対応するかによって事業者に対する満足度に大きな差が出てしまいます。仮に導き出される結論が同じであったとしても、コミュニケーター(オペレーター)がしっかりと事情や状況をヒアリングし、共感した上で結論を回答するのと、自動音声で端的に回答内容を伝えるのでは印象がまるで変わってきます。

 顧客はひとりの人です。感情を持つ人と対峙する際には、便利さや即時性だけではない共感なども必要と言えます。こうした対応は、「人にしかできないもの」だと言えるでしょう。

 たとえば、サプリメントを定期注文している顧客から「振込用紙による支払いが今月だけ遅れる可能性がある」と問い合わせがあったとします。マニュアルに準ずると「期限までに支払いができない可能性がある」と言われたら「期日までのお支払いをお願いいたします」と回答をするのが正しいとされるのでしょう。AIであれば、間違いなくこの回答をするはずです。

 しかし、問い合わせをしてくださった顧客が病気や怪我の影響でコンビニに足を運ぶことができない状況であった場合、その回答は適切なのでしょうか。コミュニケーター(オペレーター)による対応であれば、まず「それは大変でしたね」と共感を示し、事情を考慮して支払期限を延長するなど特例対応ができるよう、社内調整を試みるでしょう。たとえ返答に時間がかかったとしても、最終的な回答が「ご心配なさらなくても、コンビニに行けるようになってからのお支払いで問題ございません」という内容であれば、顧客も「これだけ寄り添ってくれたのだから、引き続き利用しよう」となるかもしれません。こうした共感や考慮した対応は、人にしかできないものと言えます。

 AIによる自動対応は効率向上につながり、対応件数を増やす意味では顧客満足度向上につながる側面もあります。しかしマニュアルに忠実すぎる対応は、顧客の事情(心情)を置き去りにしてしまうのが難点です。常に顧客視点に立ち、問い合わせ内容のバリエーションを想像した上で、内容やシーンにおいて自動化したほうが便利になるものか、人で手厚く対応したほうが顧客との関係性を良好に保てるか考え、設計するのが良いでしょう。

 こうした視点を持てば、アナログ・非効率的と見られがちな電話応対をどのような場面で用いるべきかが明確になります。人で対応する領域を明らかにした上でそれ以外をどうDXするか、どう効率化するか考えていくと、DXのハードルも低く感じられるはずです。

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この記事の著者

株式会社ライフェックス CRM Division General Manager 高井真吾(タカイシンゴ)

2005年にコールセンターベンダーに入社。アルバイトのオペレーターから始まり、リーダー、SV、グループ長、センター長を経験。その後、営業副部長として新規営業及び既存ソリューション提案に従事。通販企業、D2C企業のコールセンターの立ち上げ及び運用を200社以上行い、さまざまな運用改善及び運用マネジメン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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