いち早くShopify、モール運営は幅広く コマースメディアの強み
2016年5月に設立されたコマースメディア。社名は「商売の媒介者」を意味する。同社がメディアとなって発信し、購入者やEC運営者に有益な情報を届けたいという思いから名付けられた。創業から約6年、ゴーゴーカレー、オリオンビール、ブラックサンダー(有楽製菓)、澤乃井、ANA公式 ギフトショップなど、常時30〜40のEC支援を並行して行っている。
ECサイト制作・運用・物流まで、ワンストップでEC支援を行うのがコマースメディアの特徴だ。それぞれに特化した支援会社もあるが、コマースメディアは一気通貫であることを強みとし、こだわりを持っている。
「当社がEC事業を支援する目的は、売上に貢献するためです。売上に貢献するには、一気通貫であることが有効だというのが私の考えです。とくにバックヤードは重視していて、複数の提携倉庫と良い関係を築くことを大切にしています。また、南大塚の本社では物流倉庫も併設し、自社ECの商品のピックアップから梱包、発送まで行っています」(コマースメディア代表・井澤孝宏さん、以下同)
自社ECだけでなく、モール運営にも造詣が深いのが同社の特徴である。
「いずれかのモールの専門家は少なくありませんが、コマースメディアでは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの三大モールはもちろん、その他の中規模モールにも幅広く対応し、越境ECのご支援も承っています。コロナ禍でEC市場が伸びましたが、従来、自社EC対モールの流通総額が3.5対6.5だったのが、3対7になりました。消費者のモールに対するニーズは高いのです。昨今のモール手数料は高く、使いこなすにはEC事業者側の熟練度が求められますが、結果的にROASは良いと言えます。コマースメディアがご支援させていただいている割合も、自社ECとモール運営代行が半々という比率です」
着実に実績を積み重ねてきたコマースメディアだが、業界外からも脚光を浴びるようになったのは、カナダ発のEC構築サービス「Shopify」の活用にいち早く着手したことが大きい。2017年に国内3社目となるShopify Expertsを取得。Shopifyがマスメディアでも取り上げられるようになったのは、2020年あたりなので、3年以上早いことになる。最近では、Shopify POSの実機を海外から買い付け、実験に取り組んでいる。新たなOMOの成功事例が生まれるのも時間の問題だろう。
「つい先日も、Shopifyアプリを作りたいというエンジニアが入社してくれました。コマースにおけるECの役割が複雑かつ重要になるほど、ECシステムに求められるレベルも高くなります。コマースメディアでは、テクノロジーの分野でも、コマース業界を牽引していきたいと考えています」