EC・通販専門用語集

在庫回転率

読み：ザイコカイテンリツ
正式名称：Inventory Turnover Rate（Ratio）

記事更新 2025/04/02

　在庫回転率とは、一定期間内に何回在庫が入れ替わったかを示す指標を指す。商品が売れているペースを示す重要な指標で、在庫回転率の可視化により、顧客のニーズを的確に把握し、客観的な経営判断を下す材料を得ることができる。

　在庫回転率を踏まえて適切な在庫量を確保すれば、売り切れ・売り逃しなどによる機会損失も回避できるほか、過剰在庫や売れ残りによる金銭的な損失も避けられる。適正在庫をきちんと把握し、適切に在庫を回転させることは、商品の品質維持だけでなく、近年注目を集めるSDGs（Sustainable Development Goals：持続可能な開発目標）やESG（Environment、Social、Governance）の実現にも有効である。

　在庫回転率は、期間内の総出庫数を、期間内の平均在庫数で割ることで算出できる。在庫回転率の計算は、調査する期間の値を変更することで年単位・月単位・週単位と柔軟な計算・算出ができるため、繁忙期・閑散期ごとに目安の数字を導き出したり、繁忙期・閑散期ごとの売上のギャップを把握したりといった現状把握にも役立てられる。

在庫回転率の計算式

個数基準の在庫回転率＝期間中の総出庫数÷期間中の平均在庫数
金額基準の在庫回転率＝売上原価（売上金額）÷平均在庫金額

　在庫回転率は、基本的に高い水準を維持するのが理想であり、実現に向けた打ち手・アプローチとしては、商品が顧客に届くまでのリードタイムや販売価格の見直しが大きな役割を果たす。なお、季節商材や生産キャパシティの問題などといった商品の性質上、在庫回転率を上昇させるのに限界があるケースも存在するため、自社の取扱商品ごとの特性を理解するのも対策としては有効である。