Facebookが決済に本腰 SNSとの融合へ
まずはFacebookについて。第3四半期の決算が発表され、Facebook単体のグローバルでの月間UUが24.5億人に。毎日22億人が、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerのいずれかのアプリを利用しているという状況だ。
「日本ではInstagramが突出していますが、オリンピックなどインバウンド需要を考えると、FacebookやMessengerの活用も視野に入れておく必要があると思います」
そのFacebook、自らの経済圏を築こうと仮想通貨「Libra」を発表したが、報道されているだけでもさまざまな障害があるようで、なかなか進まない。
「今回の決算発表で、たとえLibraがうまくいかなかったとしても、たとえばInstagram Payのような決済手段の開発を進めていくと述べています。Facebookがプラットフォームとして、経済圏を築こうというのは揺らぎない方向性なのかなと感じました」
決済手段が本当にSNSに溶け込んだら、それは大きな変化だと藤田さんは言う。もちろん、日本でもさまざまな「○○Pay」が百花繚乱の状態だが、SNSはじめほかのサービスと融合しているかというと、どうだろう。
「ネット決済とその他のサービスの融合が、もっとも進んでいるのは中国だというのは世界の共通認識かと思います。Facebookも、アリババやテンセントのサービス展開を真似ている。海外進出の予定がなくとも、インターネットにかかわっている以上、今後グローバルな流れに巻き込まれるのは必至。最近はダブルイレブンについてマスメディアでも取り上げられるようになってきているので、中国のSNSや決済事情について調べてみるのも良いのではないでしょうか」
8月に「Facebookピクセル」のターゲティングの範囲をユーザーがコントロールできるようになったのは、プライバシー関連では注目のトピックスだ。Facebookピクセルとは、サイトにタグを入れておくことで、Facebook外の行動をトラッキングできるというもの。ダイレクトマーケティング界隈ではよく用いられている機能だと言う。「個人的には、自分にとって有益な情報であれば広告もウェルカムなのですが、ターゲティングそのものを嫌悪する人たちがいることも事実です。SNSの広告について、今一度考える良い機会なのではと思いました」