LINEは、行政のデジタル化を推進し、行政手続きの効率化を実現するため、LINE Pay株式会社が提供するモバイルペイメントプラットフォーム「LINE Pay」を活用した公的個人認証サービス(JPKI)対応の開発を開始。2021年春を目標にサービスをスタートさせることを発表した。
同社はこれまで、情報発信や相談受付など、「LINE」のアカウント上でのさまざまな行政サービスを全国の各自治体と連携しながら展開。また現在のコロナ禍では、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)はより一層重要な課題となっている。このようななか、本年7月には「LINEスマートシティ推進パートナープログラム」を創設し、行政サービスのデジタル化などスマートシティ推進の支援を強化している。
またLINE Payは、モバイル送金・決済サービスを提供しており、行政サービスや税公金などの公的な支払いを含むすべての決済箇所におけるキャッシュレス化を推進。本人確認機能の活用により安心・安全なキャッシュレス化の実現に努めている。
先日開催した「LINE DAY 2020」では、キャッシュレス普及の先を見据えた取り組みとして、本人確認機能の提供プラットフォーム“LINE ID Passport”構想を発表。これは「LINE Pay」のサービス特性を活かし、本人確認が必要なサービスや手続きをはじめ、決済をともなうさまざまな認証ニーズに対し「LINE Pay」が決済・本人確認機能を提供するもの。これにより、本人確認プロセスのオンライン化によるユーザー利便性向上、キャッシュレス決済を前提とした行政サービスの実現でDXに貢献する考えだという。
このような背景から、LINEはマイナンバーカードを用いたJPKIによる認証の対応(野村総合研究所が提供する総務大臣認定の公的個人認証サービス「e-NINSHO」を採用)を今後可能にしていくとのこと。「LINE公式アカウント」と「LINE Pay」の決済・送金機能と本人確認機能との連携により、2021年春よりサービスの提供開始を予定している。
マイナンバーカード内に記録された電子署名を活用するJPKIは、住民基本台帳に裏付けられた本人を証明する情報であり、偽造が困難となっている。これを「LINE Pay」の本人確認手法のひとつに加えることで、より容易で確実な本人確認を実現するとともに、行政サービスへの対応を実現。これにより、行政手続きにおいて必要な情報の検索から申請、支払いまでがすべてワンストップにスマートフォン上で、時間や場所を問わず可能になるという。
たとえば、住民票の写しや納税証明書などが必要なときには、各自治体の「LINE公式アカウント」でJPKIにより本人確認をして質問に回答するだけで容易に申請ができ、必要な手数料を「LINE Pay」で支払うことで、郵送で受け取ることができるようになるとのこと。また、給付金などの申請から受け取りまでをシームレスにできるようにするなど、「LINE」上で完結させることが可能となる。
なお、対象となる手続きの種類については子育て、死亡相続、引越し関連など随時増やしていく予定だという。