アクセンチュアは、アドビとの20年以上にわたる協業体制を戦略的に強化して、画像生成AIツールであるAdobe Firefly(アドビ ファイアフライ)を活用した業界特化型のソリューションを共同開発し、コンテンツサプライチェーンのさらなる変革を支援すると発表した。これにより、パーソナライズされたコンテンツの大規模な展開が可能となるとのこと。
アクセンチュアは、Adobe Firefly のCustom Modelsをアクセンチュア ソングが提供するマーケティングサービスに統合。ユーザーが保有するデータやクリエイティブアセット、ブランドガイドラインに基づいて独自に開発されたAIモデルの学習に必要な知見を提供する。
Adobe Fireflyは安全に商用利用できるよう設計されており、Fireflyサービスのほか、Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブ クラウド)やExperience Cloud(エクスペリエンス クラウド)のアプリケーションから、APIを介してアクセスできる。Adobe Fireflyはブランドスタイルやデザイン言語に沿ったコンテンツを生成するため、マーケターは運用データや効果に基づいてテンプレート化されたキャンペーンを構築し、継続的な改良を加えていける。このアプローチによって、コンテンツ作成プロセスを合理化し、人手を要する作業を軽減する。なお、両社が開発するソリューションの提供対象は、現時点で小売・消費財、自動車、金融サービス、ヘルスケア業界となっている。
同ソリューションには、アクセンチュアが持つ広範なデータ、AIエンジニアリングに関するスキルや責任あるAIの実現に向け体系化されたアプローチ、一貫したブランド体験の構築支援など、様々なサービスが組み合わされている。また、アドビの生成AIを活用する広範なソリューションやユーザーのシステムとも連携。グローバル全体で一貫性をもたせながら、各地域で共感性が高く、業界に特化したコンテンツの作成をサポートする。
アクセンチュアのエンジニアは、Adobe Fireflyに関する知識を深め、生成AIキャンペーンを展開する顧客企業を支援する。
アクセンチュアのマーケティング組織内でのAdobe Firefly活用について
同取り組みの一環として、アクセンチュアは、自社のマーケティング組織でもAdobe Fireflyを活用。独自のブランドスタイルとデザイン言語を用いたFirefly Custom Modelによって、サービスを提供する19の業界ごとに、コンテンツをカスタマイズする。
同発表は、マーケターがパーソナライズされた顧客体験を提供するためのコンテンツを、大規模かつより効果的に作成、提供できるよう支援するもの。2023年3月に発表された、アクセンチュアとアドビのコンテンツサプライチェーンに関する協業に基づいている。また、生成AIに関する取り組みは、2023年6月にアクセンチュアが発表したデータとAIへの30億ドルの投資の一環である。
アクセンチュアは、Writer.comへの投資や世界各地での生成AIスタジオの設立、専門的なサービスなど、生成AIに関する活動を加速している。ユーザーのニーズに最適化させた独自の大規模言語モデル構築を支援していく考えとのこと。