オン/オフ問わず統合的なUXを提供する、ベイクルーズストア
ベイクルーズグループは、ファッションを主軸にしながらインテリア、フィットネス、飲食の4事業を展開。ブランドは約75あり、うち約半数がファッション領域である。既存の事業ドメインに限らず、顧客のライフスタイル全般にまつわるニーズやマーケットの変化を捉え、今後もさまざまな挑戦を続けていく考えだ。
同グループでは、ファッション自社ECサイト「BAYCREW'S STORE」を運営。2020年8月期のEC売上高が510億円、うち自社EC売上が391億円を占め注目を浴びた。ECを含めた同社のデジタル戦略について、UI/UXのディレクションを行う玉川さんはこう語る。
玉川(ベイクルーズ) オムニチャネルや、OMO、ユニファイドコマースと時代によって呼びかたは変わるものの、本質的には同じであり、オンライン/オフラインにかかわらず統合的なユーザーエクスペリエンスを提供するというものです。その思想を実現するために自社EC中心の事業構造への変革に対し、いち早く取り組むことができたのが、2020年8月期のEC売上高にも反映されていると思います。
自社ECのユーザーエクスペリエンスを高めていくには、最適なツールを導入し、改善を続けていくことも欠かせない。先進的な取り組みで知られるベイクルーズは、さまざまなツールを積極的に導入していることでも知られている。
玉川(ベイクルーズ) 厳密に選定基準がある訳ではなくケースバイケースですが、「同じカテゴリのツールでも機能や特徴等に大きな差があるため、自社ECをグロースさせる上で役立つかどうか」「他のシステム間連携が容易か、他のツールとの整合性やカニバリズム等問題が発生しないか」「セキュリティや機能のアップデート、不具合対応、スケーラビリティ等観点から自社構築よりもメリットがあるか」の3点はとくに重視するポイントです。自社で開発することも手段のひとつとして検討はするのですが、サイト内検索については専門分野になるため自社でという選択肢はありませんでした。
ベイクルーズでは2015年にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入。以来、6年間継続して使い続けている。
玉川(ベイクルーズ) 導入以前は別のツールを使っていたのですが、2015年当時は、絞り込み検索・全文検索・サジェストに対応できていませんでした。また、サイト内検索はサイト内のさまざまなページに反映される機能ですから、セール時などアクセスが極端に集中する際にはレスポンス性能が落ちるという課題もありました。これらを改善するため、高機能なサイト内検索として存在感を放っていた「ZETA SEARCH」を導入することに決めました。私はその頃別の企業に所属していたのですが、ZETAの代表の方がメディアに登場し、『検索は最高のおもてなしである』とのメッセージを発信されているのを目にして、惹かれた覚えがあります(参考記事)。
出張(ZETA) 以前のツールの機能を一部引き継ぐといったことはせず、サイト内検索はどうあるべきかをベイクルーズ様とともに定義し、ゼロから作っていきました。日本でオムニチャネルが注目される前から店舗取り寄せを想定されており、「オンライン/オフラインにかかわらず統合的なユーザーエクスペリエンスを提供する」という戦略が当時から一貫していらっしゃることを感じます。
「ZETA SEARCH」(当時の名称は「ZERO ZONE SEARCH」)導入により、絞り込み検索・全文検索・サジェストなど現在では当たり前になったサイト内検索の機能をいち早く実装した他、ブランドごとの商品一覧等の特定の括りにおける商品一覧を表示するのにも「ZETA SEARCH」を利用している。また、セール時に課題になっていたアクセス負荷については、サイト内検索においてはZETA側がサーバーを用意するなど対応し、ベイクルーズ側の負荷が軽減。結果として、サイト内検索のスピードもアップし、常時安定して検索できる状態が提供されている。さらに、新たな取り組みを行う際のフォローも手厚い。
出張(ZETA) 新たな取り組みを行う場合、ツールによっては事業者様側でデータをご用意いただいたり、手動での作業が増えたりするのですが、ZETAでは機能面でそれをカバーすることができます。たとえば新商品をECサイト上でクローズアップしたい場合、「ZETA SEARCH」なら検索エンジンに一任し、新商品が登録されるたびに自動でブランドページのトップに表示するといったことが行えます。売上順、人気順のような軸でも可能です。事業者様の運用負荷少なく、新たな取り組みが行えることはツールを選ぶ際の重要なポイントのひとつになると思います。