店舗とECをつなぐ重要なハブとして機能するアプリ
オンラインで顧客接点を作る手法としては、メールやウェブ広告、LINEなどさまざまなものが存在するが、それらと比べてOMOアプリを開発することにはどのような利点があるのだろうか。篠田氏は「シェルターパスは、店舗・EC双方と連携し、ハブになるアプリとして重要な役割を担っている」と語る。
アプリに関しては、インストールまでの敷居が高いことが大きな障壁となる。しかし、シェルターパスは圧倒的に店頭およびECで顧客に認知・インストールされていることが注目すべきポイントであり、その比率は8割を超えていると言う。
シェルターパスでは、顧客が店舗へ来店して買い物をした際に、「アプリをインストールすると、本日分のマイルが貯まる」という動機づけをし、会計を待つ間に導入を促している。「マイルがもったいない」という考えから、顧客が自然な形でインストールを行う流れを作るのみならず、すぐに「ゲスト会員」としてポイントカードが利用できる仕組みを構築した点も特徴だ。さらに、アプリ上で会員登録が完了すれば、一気通貫でECの会員登録を行える仕組みも実装している。篠田氏は、「この流れが非常に重要な意味をもっている」と語った上で、このように続けた。
「従来、同社はウェブ広告でEC集客をしていましたが、同アプリの導入をきっかけに広告施策を取りやめました。それでも、1日あたりのEC会員登録が広告配信していた頃に比べ、およそ3倍に増えています。アプリインストールのために広告集客は行っておらず、店頭・ECでの告知のみです。同社がもともと保有している顧客接点を最大限に活かし、メリットを上手に顧客へ提示することで、顧客接点のアップグレードに成功した事例と言えます」(篠田氏)