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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2021 Spring レポート(AD)

OMO推進をアプリで実現 バロックジャパンリミテッドが「シェルターパス」で作るファンとのつながり 

 長期化するコロナ禍において、店舗からEC施策への転換、およびその集客に関する課題を抱える企業も少なくないだろう。その解決策のひとつとなり得るのが、OMO(Online Merges with Offline)施策を実現するためのアプリ活用だ。2021年3月23日に開催された「ECzine Day 2021 Spring」にて、株式会社ランチェスター プロダクト部 プランナー 篠田 健吾氏が登壇し、OMOアプリでビジネスを成功に導くための開発のポイントについて紹介した。

オムニチャネル・OMOアプリ開発に圧倒的な強みを持つ「MGRe(メグリ)」

株式会社ランチェスター プロダクト部 プランナー 篠田健吾氏

 ランチェスターは、日本国内でiPhoneが発売された頃からアプリ開発に参入。アプリ黎明期からアプリ活用・推進に携わる企業のひとつだ。同社にとって転機となったのが、無印良品のアプリ「MUJI Passport」の開発に携わったことである。それ以降、会員証などが組み込まれたいわゆる「店舗アプリ」の開発依頼が増え、現在に至っている。篠田氏は2014年に入社し、受託開発を中心とする頃からウェブやアプリの企画および営業に携わってきた。現在は、製品のプランニング業務をメインに手掛けている。

 「企業と顧客の良い関係を支える」をミッションに掲げ、それをアプリで実現しようとしている同社が現在手掛ける事業の主軸は、SaaS型アプリマーケティングプラットフォーム「MGRe(メグリ)」だ。MUJI Passportの開発経験を活かし、店舗向けの機能を詰め込んだプラットフォームであり、オムニチャネル・OMO推進に真価を発揮するプロダクトである。

 MGReは、とくに外部システム連携やECサイト自動ログインなど、カスタマイズ対応力が大きな強みだ。2020年9月には、ECプラットフォーム大手のフューチャーショップと提携し、「futureshop」もしくは「futureshop omni-channel」を利用する店舗であれば、MGReを使うことでオムニチャネルアプリの開発が容易に実現できるようになっている。

 約3年で30社ほどのアプリ開発を実現したMGReは、アパレル企業への導入実績が半数以上を占めている。しかし「最近では東急ハンズ、Francfranc、ベイシアなどといった小売や、コスメブランド『THREE』など、事例も多岐にわたっている」と篠田氏は語った。

アパレルOMOアプリ成功事例 バロックジャパンリミテッドの「シェルターパス」とは

 同氏は今回、数多くの事例からランチェスターと長くパートナー関係にあり、MGRe導入2例めにあたるバロックジャパンリミテッドのアプリ「SHEL'TTER PASS(シェルターパス)」を紹介。

 「MOUSSY」「SLY」「AZUL」など、主に女性向けアパレルブランドを展開する同社は、これまでブランドごとにアプリを展開し、ECアプリも別途運用していたと言う。しかし、MGRe活用により、各ブランドや店舗・ECといったチャネルの垣根を越えたポイントカード共通化に成功。同社系列店舗すべてで活用できる、まさに「パスポート」と言えるアプリ構築に成功した。

店舗とECをつなぐ重要なハブとして機能するアプリ

 オンラインで顧客接点を作る手法としては、メールやウェブ広告、LINEなどさまざまなものが存在するが、それらと比べてOMOアプリを開発することにはどのような利点があるのだろうか。篠田氏は「シェルターパスは、店舗・EC双方と連携し、ハブになるアプリとして重要な役割を担っている」と語る。

 アプリに関しては、インストールまでの敷居が高いことが大きな障壁となる。しかし、シェルターパスは圧倒的に店頭およびECで顧客に認知・インストールされていることが注目すべきポイントであり、その比率は8割を超えていると言う。

 シェルターパスでは、顧客が店舗へ来店して買い物をした際に、「アプリをインストールすると、本日分のマイルが貯まる」という動機づけをし、会計を待つ間に導入を促している。「マイルがもったいない」という考えから、顧客が自然な形でインストールを行う流れを作るのみならず、すぐに「ゲスト会員」としてポイントカードが利用できる仕組みを構築した点も特徴だ。さらに、アプリ上で会員登録が完了すれば、一気通貫でECの会員登録を行える仕組みも実装している。篠田氏は、「この流れが非常に重要な意味をもっている」と語った上で、このように続けた。

「従来、同社はウェブ広告でEC集客をしていましたが、同アプリの導入をきっかけに広告施策を取りやめました。それでも、1日あたりのEC会員登録が広告配信していた頃に比べ、およそ3倍に増えています。アプリインストールのために広告集客は行っておらず、店頭・ECでの告知のみです。同社がもともと保有している顧客接点を最大限に活かし、メリットを上手に顧客へ提示することで、顧客接点のアップグレードに成功した事例と言えます」(篠田氏)

スムーズな購入体験とリアルタイム性で満足度と売上をアップ

 MGRe導入企業の多くが、バロックジャパンリミテッドと同様に、アプリ利用時のECサイトへの自動ログインの実装を希望している。同機能があるからこそ、MGReを選ぶという企業がいるのも実情だ。アプリ上で会員登録をするだけでEC会員になることができる上、ECへの自動ログインも可能となる。登録後のスムーズな購入体験を提供した成果は、データにも表れている。同社が実施した顧客調査によれば、アプリ上でのEC購入に関して、98%の顧客が「不満がない」と回答。非常に高い満足度を獲得している。

 その結果、ウェブを使わず「アプリのみ」でEC購入をする顧客が、およそ3分の2を占める状況となっている。ウェブとアプリを併用する顧客も含めると、8割以上がアプリを活用しており、一度シェルターパスをインストールした顧客が、継続してアプリ経由での購入を行っていることがうかがえる。つまり、アプリ活用においては、ECサイトへの自動ログインをはじめとしたスムーズな購買体験創出が重要と言える。

 なお、リピーター顧客がアプリを支持するもうひとつの理由が、プッシュ通知機能だ。ECで品切れしていた商品の再入荷通知や、お気に入り商品の値下げ情報をタイムリーに受け取ることができる同機能は、従来型のメール通知で課題とされていた、「情報をいかに早く手に入れ、見逃さないようにするか」というユーザーニーズを実現している。EC自動ログインと併用することで、プッシュ通知から購買に移る行動も非常にスムーズに設計することができ、顧客の利便性を満たすのみならず、売上にも直結する機能として成果が出ていると言う。

「コロナ禍で店舗の来店客数が減り、ECを本格的に始めたものの、集客がままならないという課題を抱える方もいるのではないでしょうか。目標達成のために広告出稿するのもひとつの方法ではありますが、その費用でアプリを制作し、店舗の既存顧客をアプリ経由でECに自然な形で送客するのも効果的です。バロックジャパンリミテッドの成功事例を踏まえ、ぜひご検討いただければと思います」(篠田氏)

ブランドシフトで企業全体のLTV向上を図る アプリ成功の鍵とは

 最後に篠田氏は、シェルターパス開発時に重点を置いた3つのポイントと効果について説明を行った。ひとつめは、アプリインストールから会員登録までの導線の最適化だ。これにより、顧客接点としてすでに機能している店舗やECサイトをアプリ集客の柱とすることに成功している。

 ふたつめのポイントは、アプリとECサイトの連携を強固にしたことである。これは顧客体験向上、アプリ経由の売上獲得双方において、非常に重要なポイントと言える。同社は、リピーター向けチャネルであるアプリの特性を踏まえ、独自の体験を作り込んだ。良質な顧客体験を構築することで、顧客の利用頻度をアップし、リピーター化とLTV向上につなげる。成功の鍵を握るのは、F2転換率の向上である。

 3つめは、アクティブ率向上のため、買い物時以外にも使える機能を強化し、アプリが生活の一部となるように工夫したことが挙げられる。バロックジャパンリミテッドは、このポイントを押さえた結果、コロナ禍でEC売上を大きく伸ばしている。具体的な施策としては、「STAFF START」連携を導入し、スタッフのコーディネートを掲載。コーディネートには着用アイテム情報が付与され、気になる商品はすぐにチェックできるようになっている。購買前の商品認知・検討の役割を担う同機能の実装により、課題となっていた購買時以外の使途をアプリに見出すことに成功した。

 シェルターパスでは、2021年2月にSTAFF START表示ページをすべてネイティブ化し、コーディネートと関連商品情報の閲覧をよりスムーズに表示できるようバージョンアップしている。この改善により、アクティブ率向上という成果にもつながっていると言う。同社が実施した「コーディネート情報や、着用アイテムの情報が役に立ったか」という顧客アンケートでは、8割の顧客が「とても満足」「満足」と回答しており、実際に売上の3分の1はコーディネートを閲覧してから購入したものという結果も出ている。

 コーディネートページは、コンテンツとして日常的に目で見て楽しむのみならず、購買を喚起するトリガーとしても作用していることが推察される。篠田氏は「ランチェスターの分析によると、こうしたコンテンツを保有するアプリは、2020年4月から5月にかけて発令された緊急事態宣言時に、リピーター顧客からのアクセス獲得に成功し、結果的にEC売上アップにも成功していた」と補足する。

 なお、2021年2月のアップデート時には、ユーザー投稿によるコミュニティ形成機能も追加。スタッフコーディネートに加え、UGCの量・幅を広げ、購買時以外のアプリアクティブ率をさらに上げていくことが狙いだ。

「今後は、顧客のライフステージの変化に合わせて、新たなファッションの提案ができるアプリとしてシェルターパスをさらに進化させ、バロックジャパンリミテッド全体の売上アップにより貢献していきたいと考えています」(篠田氏)

 年齢や環境が変化するにつれ、好きなブランドと距離を置いてしまう顧客も存在するのがアパレルブランドの現実と言える。複数ブランドを抱える企業としては、次に選ばれるブランドもまた自社ブランドであることが理想的であり、その提案ができればスムーズなブランド移行も可能となる。シェルターパスは、まさにその世界を目指し、個々のブランドファンとのつながりを深めるだけでなく、顧客の変化をとらえ、次のステージの提案、つまりブランドシフトを自然な形で促す戦略を取ろうとしている。篠田氏は、最後に同社の取り組みについてこのように語り、セッションを締めくくった。

「バロックジャパンリミテッドは、企業として顧客と長くつながりを形成することを目指し、LTV向上を図っています。CRMの視点も持ち、企業全体の価値や利益を高めようとしている点は、多くの企業にとって非常に参考となる事例と言えるでしょう」(篠田氏)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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