口コミはいずれソーシャルメディア化する
海外の事例では、レビューが10件になるとCVRが1.5倍に、50件では2倍になるというデータもある。また、口コミの効果はCVRのみならず、返品率にも現れている。「ZETA VOICE」導入企業からは、口コミが寄せられている商品の売れ行きが平均1.8倍から2倍にまで高まり、「ユーザーが口コミを読み納得した上で購入するため、返品率減少にも成功しているといった声が寄せられている」と山﨑氏は述べた。
「消費者は、企業と比べほかの消費者の声を3倍信用すると言われています。ハッピーなカスタマーは最高のマーケターです。口コミを恐れすぎず、前向きなソリューションとしてとらえ、ネイティブなインフルエンサーを育てることが肝要です」(山﨑氏)
アメリカでは、検索エンジンからAmazonのレビューページへ多くのユーザーが流入しているというデータも存在している。今後は日本でも口コミ文化がより盛んになり、口コミはメディア化していくと山﨑氏は予測する。
「口コミは今後、ECサイトという企業のオウンドメディアにおけるソーシャルメディアとして育っていくはずです。今は商品ページに添えられる形で口コミが表示されていますが、いずれは口コミがECサイトのメインコンテンツになり、口コミに目を通した上で商品詳細ページを見にいく、といった流れが生まれると考えています。Q&A機能も含めて商品のノウハウがそこに蓄積され、ユーザーが購入しやすい仕組みが整備されていくでしょう」(山﨑氏)
変化する時代において、ユーザーの体験を向上させるサービスを提供する「ZETA CX シリーズ」は、豊富な導入実績と年間流通総額で圧倒的なシェアを誇るEC商品検索・サイト内検索エンジンの「ZETA SEARCH」に加え、前出したレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、OMO・DXソリューションの「ZETA CLICK」という3つの製品を主軸に構成されている。年間950億もの検索クエリを処理し、導入サイトの流通総額が2兆円にものぼる同シリーズは、およそ15兆円と言われる日本国内のEC流通額の1割強を占め、大手ECプラットフォームの流通額を除くとその割合は約3割にも上る。導入後の継続利用率も98%と非常に高い水準を記録し、デジタルツールの導入に積極的なアパレル企業の事例が豊富な点も特徴だ。
山﨑氏は、最後に「アパレル企業のようにビジネス規模が比較的大きく、これまで実店舗ビジネスを主軸に展開を進めてきた企業はデジタルシフトが急務となります。私たちも皆様のお役に立てるよう、サービス向上に努めてまいります」と語り、講演を締めた。