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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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アルペン自社ECの急成長を支えるZETA SEARCH スポーツとアパレルの世界で重なるOMO

 2018年10月に自社EC「アルペングループ オンラインストア」を開設し、コロナ禍でも売上を伸ばし続けるアルペン。多岐にわたる商品カテゴリ・商品ラインナップの中から、求める商品を速やかに、かつ適切に提供するためにひと役買っているのがEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」だ。ソリューション導入に携わったアルペン、ZETAの3人に、ECサイトにおける検索の重要性やOMO推進について話を聞いた。

時代を先取り事業を拡大 アクティビティの楽しさを伝えるアルペン

 「New Normal」という言葉が世の中に浸透し、屋外で楽しむことができるスポーツやアウトドアの需要が高まる昨今。こうした時代の流れを常に先取りし、消費者にアクティビティの楽しさや機能性・利便性の高い商品を提供し続けているのが、アルペンだ。同社は、1972年に愛知県名古屋市にてスキーショップ「アルペン」をオープンし、スキーブームをけん引。その後もゴルフ専門店「ゴルフ5」、総合スポーツ店「スポーツデポ」、アウトドア専門店「アルペンアウトドアーズ」をオープンするなど、事業の幅を拡大し続けている。

 同社のEC進出は、2004年にまで遡る。モール出店からEC展開を開始し、ノウハウを積み重ねた上で2018年10月に自社EC「アルペングループ オンラインストア」を開設。多ジャンル・多品番の商品を扱う同サイトにおいて、商品の探しやすさと迅速な検索を実現しているのは、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」だ。

 アルペンが「ZETA SEARCH」を導入したのは、2019年10月。自社ECのオープンからおよそ1年が経過したタイミングで導入を決めた理由は、いったい何だったのだろうか。抱えていた課題や「ZETA SEARCH」導入後の変化、これからの小売のものの売りかたや目指すサービス提供について、アルペン EC事業部長 武藤恵一さん、ZETA 代表取締役社長 山﨑徳之さん、セールスグループ マネージャー 市川敬貴さんに話を聞いた。

(写真右より)ZETA株式会社 代表取締役社長 山﨑徳之さん
株式会社アルペン EC事業部長 武藤恵一さん
ZETA株式会社 セールスグループ マネージャー 市川敬貴さん

予想以上の成長を遂げた自社EC 検索スペック向上が急務に

――自社ECの立ち上げは2018年10月とお聞きしました。「ZETA SEARCH」を導入するまで1年のタイムラグがありますが、導入以前の課題点について教えてください。

武藤(アルペン) モールや他社プラットフォームを活用したEC運営は行っていましたが、自社EC立ち上げに関しては、右も左もわからない素人のようなものでした。自分たちの手で1からECを立ち上げることになった当初は、事業のサイズに見合った検索エンジンを選定して活用していましたが、予想以上のスピードで売上が拡大し、すぐにスペックが見合わないものになってしまったのです。従来は自社EC内に検索のシステムを構築し、マスタ連携は手動で行っていました。すると、検索を改善するにも人の手を介さなくてはならず、膨大な工数を要します。当サイトは取扱カテゴリや品番数が非常に多く、メンテナンスの負担は想像以上のものでした。

 実は自社EC立ち上げ時から「ZETA SEARCH」の存在は認識しており、ベンダーの方からも推薦されていたのですが、当初はスモールスタートということもあり、まだそこまでのスペックは必要ないと考えていました。「数年後に導入を検討しよう」という気持ちでいたのですが、実際に運用を開始し「このままでは、検索が売上増加のボトルネックになってしまう」と気がつき、予定よりも前倒しで導入を決断したという経緯になります。

山﨑(ZETA) アルペン様の自社EC立ち上げの直前に、あるマーケティングイベントの会場で同社の方とお会いした際には「ちょうどツール選定が終わったところですので、しばらくは厳しいかと思います」とのことでした。しかし、翌年お会いした際に「実は検討しているところです」とお声をいただいたのが印象に残っています。検索は実際に運用を開始し、何かしらの不便を感じて初めて必要性を理解する機能であると言えます。

武藤(アルペン) 自社ECが予想以上のスピードで成長したことも要因のひとつではありますが、検索がここまで重要になるとは当初考えていませんでした。

「ZETA SEARCH」で検索精度と連携頻度を向上 ユーザビリティの追求へ

――導入の相談を受け、ZETAからはどのような改善策を提案しましたか?

市川(ZETA) 私からは2点ご提案しました。まず1点めは、「検索の精度を高める」ことです。私自身がサッカー好きということもあり、実際に「アルペングループ オンラインストア」で「レガース」というキーワードで検索を行ってみました。レガースは「すね当て」「シンガード」などさまざまな呼び名があるのですが、それぞれの単語で検索結果に大きな差が出ていたのです。ヒットする件数もそれぞれ異なっていたため、お客様に対するユーザビリティを考えた際に、こうした表記ゆれを改善する必要があるとお伝えしました。

 2点めのご提案は、データの連携頻度についてです。他社の検索エンジンを活用されていた当初は、1日3回データ連携を行っているとのことでしたが、連携回数が少ないことで検索結果とECサイトの価格・在庫数にずれが生じることが多々あり、こちらも改善をご提案しました。「ZETA SEARCH」導入後は、30分に1回の頻度で連携を行っています。

武藤(アルペン) ご提案いただいた内容の中には、運用に追われていたがゆえに気がつくことができていなかった点も多々あったため、大変ありがたいものでした。0件ヒットが乱発している点についてもご指摘をいただいたのですが、まさに人的オペレーションで限界を感じていたポイントで、とても的確なアドバイスをいただけたと感じています。

株式会社アルペン EC事業部長 武藤恵一さん

――アルペンのように幅広い商材を扱う事業者に対し、「ZETA SEARCH」が提供できる強みは何でしょうか。

山﨑(ZETA) 「ZETA SEARCH」は、圧倒的な処理速度の速さを強みとしています。処理速度が速ければ、連携頻度を増やすことも検索に対するレスポンスをスムーズにすることも、大量のアクセスやクエリを処理することも可能です。たとえば、キャンペーンやマスメディア露出による急激なトラフィック増加に対応できるか否かも、最終的には処理速度に帰結します。実現したいアイディアがあっても、スペックがともなわなければ実現できません。処理速度が速ければなんでもできる。このように考え、こだわり続けています。

 とは言え、処理速度の重要性は実際に運用を開始してみなければ気がつかない部分であることは間違いありません。とくに運用開始直後は、現状維持で様子を見るといった判断をされるケースも多々見られますが、アルペン様は予定を前倒ししてでもユーザビリティ向上の道を選ばれました。これはなかなか難しい決断だったのではないかと感じています。

武藤(アルペン) 当社は、決断してから実現までに求められるスピードが速いのが特徴です。当然実行する以上は結果も求められるため、「ZETA SEARCH」導入後も磨き込みを続けています。常に動き続ける点は社風と言えますね。

山﨑(ZETA) スポーツ用品は商品が回転するサイクルも早いですし、新商品を出し続けなくてはならないという側面もあるかと思います。そういった点から考えると、最近のアパレルとマーケティング手法は近しいとも言えますよね。

武藤(アルペン) 当社もアパレル用品を数多く扱っていますし、季節ごとに売れる商品も異なるため、タイミングを逃さず売ることは大変重要です。近年は、スポーツブランドもアパレル用品の強化を行っていますし、「アスレジャー」という言葉に代表されるように、アパレルブランドもスポーツの要素を取り入れるなど、互いの領域が重なりつつあるという印象があります。同じ土俵とまではいかなくとも、近接しつつあると言えるのではないでしょうか。当社も競合のスポーツブランドのみならず、アパレルもベンチマークとして視野に入れ、学びを得るようにしています。

ランキング経由のCVRは全体平均の約2倍 素早いPDCAが成果に直結

――「ZETA SEARCH」導入後に、得ることができた成果や変化を教えてください。

武藤(アルペン) 売上については、導入以前と比べると200%以上の成果を出すことに成功している上、現在も伸長している状況です。また、「ZETA SEARCH」導入によりトップページやブランドカテゴリページ内にランキングを表出できるようになりましたが、ランキング詳細ページのPV数は導入当初と比べて約3倍、ランキング経由でのCVRは全体平均と比べて約2倍の数値を記録しています。著しい成果を上げることができています。

 実は、従来は店舗ごとに用意していたポイントカードを2019年4月にひとつのIDに統合し、新たなメンバーシップ制度を開始しています。実店舗とECの相互送客やOMO推進はまだこれからというところですが、1年半強で500万人の会員獲得に成功しており、当社を知るお客様がわざわざ自社ECに足を運んでくださるケースも増えている状況です。このようなお客様の動きと検索の利便性向上施策がマッチングした結果の数字と考えています。

山﨑(ZETA) スポーツ用品を販売するには、OMOも重要ですよね。フィット感も重要ですから、なかなか実物を見ずに購入するのも難しいと思います。

武藤(アルペン) それは間違いないですね。コロナ禍においては、実店舗まで足を運ぶのは難しいと考えるお客様もいらっしゃるでしょうから、ECで購入していただいたり、ECで検討して受取は実店舗で行っていただいたりといったように、チャネルを越えた購買体験創出も今後はより強化していきたいです。

山﨑(ZETA) コロナ禍でゴルフ人口が増加しているという話を聞きました。アルペン様でも売上などに変化は見られましたか?

武藤(アルペン) 当社の実店舗やECにもこれからゴルフを始めたいという方や、ひさしぶりに再開したいといった方の来店が増加しています。お試し3点セットのような初心者向けの商品の動きが活発ですね。また、アウトドアの売上の伸びも順調です。夏頃はランニングの需要も増えていました。

 お客様の動きを見ると、何かしらのアクティビティをして楽しみを得たいという思いを感じます。アルペンは時代の先を読んでさまざまな施策を講じることができる企業だと思っていますので、今後もカテゴリを越えて身体を動かしたり、屋内外で活動したりすることの楽しさを伝えていきたいです。

――「ZETA SEARCH」導入後の満足度やサポート体制についてはいかがでしょうか。

武藤(アルペン) 30分に1回のデータ連携を実現することで、商品価格や在庫をほぼリアルタイムで表示できるようになった点は、売上にも直結していると感じています。導入後すぐに成果を出すこともできたため、満足度はとても高いです。今後は、世の中のデジタルシフトやお客様の購買行動の変化に合わせて検索のしやすさをより追求したり、アルペンの約400店舗の店舗網を活かした実店舗ごとの取扱商品検索を実現したりといった、機能の磨き込みを行っていきたいと考えています。やはり実際に成果が出ると欲も出てきてしまいますね。ZETAさんには、他社ベンダーとの連携も含めてさまざまな相談を行っていますが、柔軟に、かつ迅速にご対応いただけているため、その点にも満足しています。

市川(ZETA) アルペン様は、「ZETA SEARCH」導入後すぐにフィードバックをくださり、PDCAを回すのが速い企業様でいらっしゃいます。売上も順調に伸びているとのこと、ビジネスの武器としてZETAのソリューションを活用いただけている様子がうかがえ、ありがたく感じています。

レビューはオンラインとオフラインをつなぐ糊 実店舗網を活かしたOMO推進を考える

――今後取り組みたい機能追加や導入を検討しているソリューションなどはありますか?

武藤(アルペン) 実際にZETAさんからご提案もいただいているのですが、OMO・DXソリューションの「ZETA CLICK」やレビュー・口コミ・Q&Aエンジンの「ZETA VOICE」には興味をもっています。

山﨑(ZETA) 「ZETA SEARCH」に加えて「ZETA CLICK」を導入する。これだけでも実店舗とEC双方の機能がより充実しますが、双方をつなぐために「ZETA VOICE」をセットで活用いただくとさらに効果を発揮できます。レビューはオフラインとオンラインをつなぐ糊となります。先ほどOMO推進についてもお話がありましたが、「ZETA SEARCH」と「ZETA CLICK」の間に「ZETA VOICE」が挟まることで、ECで購入したお客様の口コミや評価がオフラインにもプラスに作用します。とくにスポーツ用品は、購入後商品を利用してから寄せられるレビューも購入を後押しするきっかけとなります。レビューは、アルペン様の扱う商材との相性も良いと考えられます。

 実は「ZETA CLICK」に関しては、先日販売価格の変更を行いました。従来は1店舗あたりのプライシングでしたが、スタッフひとりあたりのプライシングに変え、実店舗の運営実態に沿う形で、より事業者の皆様に利用していただきやすいサービスにブラッシュアップしています。これも事業者の皆様から寄せられた声を踏まえた変更です。ZETAとしても、ユーザー企業様からのご要望は貴重なご意見であると受け止めているため、アルペン様からもどんどんご要望をいただけたらと思います。

武藤(アルペン) レビューに関しては当社も課題を認識しているため、今後力を入れていきたいですね。「ZETA CLICK」も価格変更を行うと聞き、改めて興味を持ちました。

市川(ZETA) レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」も、「ZETA SEARCH」と連動して活用することで、EC上での成果につながると考えています。たとえば、ある価格帯やカテゴリの商品を頻繁に検索しているお客様に対し、該当する価格帯×カテゴリの商品をお勧めすることができれば、検索のデータをより売上向上に活用することができます。このように、アルペン様のビジネスの成果につながるご提案を今後も行って参ります。

ZETA株式会社 セールスグループ マネージャー 市川敬貴さん

武藤(アルペン) 実現したいことはたくさんあるのですが、商品数が多い中でお客様が求める検索結果をスムーズにご提示するための努力は、今後も継続する必要があると感じています。お客様が探しているものにすぐにたどり着けるように、カテゴリごとの特集ページを強化したり、該当ページにストレスなくたどり着くために見せかたを工夫したりといった取り組みは、より追求していきたいです。

 また、社内で目標としてEC売上やEC化率のアップを求められてはいますが、私個人としては今後はそのようなチャネルの境目もなくなっていくのではないかと考えています。そして、当社の強みは実店舗が約400店舗ある点だと思います。たとえば現状は商品軸から実店舗在庫を検索することはできるのですが、今後は実店舗軸でさまざまな検索ができるような機能強化をいち早く進めていきたいです。実店舗数が多い当社ならではの特徴を活かし、他社にはできない、お客様がどこで商品を購入しても良い状態、利便性が高い環境を構築していけたらと思います。

山﨑(ZETA) 目に見えてわかる機能やサービスは他社にすぐに追随されてしまいますので、優位性が長くは続きません。そのような視点で考えると、裏側の部分である検索の磨き込みは容易には追随しづらいポイントと言えます。レビューやレコメンドも同様です。たとえば「ZETA VOICE」で寄せられたレビューに対して、スタッフが業務の合間にプロの視点から返信を行い続けたとします。1日1件しか返信できなかったとしても、1年・2年と経てば他社が追随できない立派な資産となることは間違いありません。近年のGoogleのトレンドを踏まえても、とてもパワーのあるコンテンツとなるはずです。レビューのアセット化は有効と言えますし、一刻も早く着手した事業者が勝利を収めるはずです。ZETAとしても、結果につながるお手伝いができるよう、今後もアルペン様に伴走していけたらと考えています。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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