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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

運営堂がゆくEC業界対談

「葬儀で黒マスクにする必要はありません」 2万RTを生み出した秘密を西田葬儀社さんに聞く

 運営堂の森野さんが日々の情報収集で気になったことをインタビューしていきます。今回は、黒マスクのツイートがバズった西田葬儀社さんに地方中小企業のマーケティングについてお聞きしました。専務取締役の西田祐規さんにお話をうかがったところ、長い目で見た人間性重視の社員教育とファンづくりの考えが根底にあるようです。

入社4年目の若手社員がSNSを担当 ルールは「葬儀会社だからこそ」なふたつだけ

森野(運営堂) 今日は、地方中小企業のマーケティングというテーマでお話をおうかがいしたいと思います。その前に、

のツイートが2万RT、2万いいねとバズったのですが、これは狙ってツイートされたのでしょうか?

西田(西田葬儀社) たまたまニュースを見ていたところ、黒マスクを取り上げていました。社内で「そんなことないよ」という動画を作ろうかとアイディアを出したら、SNS担当が「いいですね!」と賛成してくれたんです。すぐに動画撮影に着手しつつ、先にTwitterで上げておく、という流れでやってみたところ一気に拡散しました。タイミングが良かったんでしょうね。

森野 当たり前のことのようにさらっとおっしゃっていますが、実はとても難しいことだと思います。中小企業では、「ニュースなどの話題をこまめにチェックする」「SNS担当者がいる」「動画を自社で撮影&編集する」が、できていないところが多い。つまり、西田さんがおっしゃったようなことができる企業が少ないということです。まず、ニュースなどの話題について、どのようにチェックされているのでしょうか?

西田 TwitterのトレンドやYahoo!ニュースはチェックしていますね。

森野 ネットのトレンドをつかむならこのふたつですね。ただ、Twitterのトレンドをチェックしている専務というのはあまり聞いたことがないです(笑)。SNS担当はSNSに慣れている方なのでしょうか?

西田 新卒で入社し、4年目になる若手です。写真や動画を撮ることにも慣れているし、SNSに上げるのにも慣れている。顔出しにも、それほど抵抗がないという世代です。

森野 やはりSNS担当は、この世代の人たちが向いていますよね。私の世代ぐらいになってくると抵抗がある人が多いですから。動画も同じ方が編集されていますか?

西田 はい、そうです。YouTubeは、動画自体のクオリティの高さがそれほど求められていないのが良いところですよね。重要なのは内容の良さですから、自分たちでできる範囲のところでやる。そして、続けていけば蓄積されるものができてくる。社員教育の一環とまではいかないですけれども、少しずつできるようになっていけばいいと思っています。

森野 継続は力なりですね。社員教育となると、堅苦しさが出ないでしょうか? 成果を意識したり、「これはダメ、あれはダメ」とルールを作るいったことです。

西田 ふたつだけルールがあります。「誰かが悲しい思いをしない」「政治的な発言はやめる」これだけです。「誰かが悲しい思いをしない」については、たとえば、どこかの業界で何かを作っている人が「ああ、嫌だな」と思うような発信はしないということです。直接的な悲しみだけでなく、視野を広く持って、どこかで誰かが悲しむことはしない。これは葬儀会社だからこそかもしれないですね。

 我々は葬儀会社で、悲しみという部分を担うお仕事をさせていただいていますが、「悲しみを癒やしたい」という気持ちはすごく大きいんです。「お葬式を通じて、この悲しみを癒やす」という頭で仕事をしているので、誰かがそういった思いになることはやらない。せっかくのSNSですから。最近では『半沢直樹』に出てくるセリフをつぶやいていたりしていますけれども、そういったこともとくに問題はありません。

西田葬儀社 専務取締役 西田祐規さん
西田葬儀社 専務取締役 西田祐規さん

森野 葬儀会社だからこそのルールですね……。成果を求めたりもしないのでしょうか?

西田 まったくないので、SNS担当は非常に楽しそうにやっています。こちらから「こういうのをやってよ」と言うこともありますけれど、「こんな動画を撮りたいんですけれども、どうでしょうか?」といった打診のほうが多いですね。ただ、SNS担当が元々、SNSや動画が好きだったかというとそうでもないんです。実は、とても大人しいタイプだったのですが、こうした仕事を続けることでだんだんと自信をつけて、しっかりと成長してきた印象を持っています。

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この記事の著者

森野 誠之(モリノ セイジ)

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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