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約10兆円の外国人消費に「おもいやり」を ウェブ多言語化テック企業「Wovn」インタビュー

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2019/12/03 07:00

 外国人の消費額は何と約10兆円! この市場を逃すまいと動きだしている企業はまだ少ないが、外国人の消費額が年々増えていくことは明らかだ。その市場を獲得していくための多言語化対策についてわかりやすく書かれた書籍『MX(Multilingual Experience)~外国人戦略のためのWEB多言語化』(NIKKEI BP刊)の著者でもあるWovn Technologies株式会社 副社長COO・上森久之氏に、最適な「多言語化」の重要性について語ってもらいました。

テキストを翻訳するだけじゃない Wovnが考える多言語化とは

――本腰を入れて多言語化対策を行っている企業は、まだまだ少ないように感じます。実際、多言語化するメリットや外国人市場規模などを教えてください。

Wovn Technologies株式会社 副社長COO・上森久之氏

上森(Wovn) 日本における外国人の消費額ってご存じですか? 国内のGDPは500兆円、つまり日本人全員が消費している金額が500兆円です。そして毎年の個人消費の増加金額は、たった1兆円です。

一方外国人の消費を見てみると、2種類あります。ひとつ目は「インバウンド(訪日客)の消費」で、現在の消費額は4.5兆円。インバウンドブームの要因としては、LCCやインターネット(手軽に予約でき旅情報も入手できる)の普及により、世界的に海外旅行者が増えていることがあります。インバウンド消費には波がありますが、増える分にはどこまでも増える可能性があり、日本の魅力を考えると5兆円を下回ることはないだろうと予想できます。

ふたつ目は「在留外国人の消費」で、約5兆円(正確には4.9兆円)。インバウンドとあわせると約10兆円になります。そして在留外国人の消費額は、間違いなく必ず増えていきます。先進国におけるGDPは、人口の数と比例し、人口が減ると必ず減ります。政府施策としては、働く人の数を維持しようとしています。そこで働く外国人の方たちを増やそうというのが国の考えであり、具体的にはビザの緩和なども始めています。今、在留外国人は280万人いますが、これが500万人になれば消費額は自ずと増えていきます。つまり今後、100兆円以上の市場になる可能性もあるのです。

そこで我々Wovn Technologiesが着目しているのは、単なる翻訳ではなく、インターネットの多言語化です。世界のインターネットユーザーは40億人いて、日本のインターネットユーザーは、約1億人しかいない。インターネット全体のコンテンツの内、たった5%しかコミュニティがないんです。残りの95%の人達は、日本の情報を知りえない状況です。

この状況を変えるために何をするべきかと言えば、ウェブサイトの多言語化です。つまりは翻訳するわけなのですが、我々のミッションとしては「すべての人々が母国語でインターネット(情報)にアクセスできるようにしよう」です。

たとえば「カンボジアの名所」を検索すると、日本人が書いた記事はヒットするものの、カンボジアのクメール語ではヒットしないわけですよ。それを、クメール語でもしっかりアクセスできるようにするのが、我々が取り組んでいることです。

――具体的にどのようなことを行っているのですか?

上森(Wovn) ウェブサイトの多言語化については、大きくふたつの課題があります。ひとつめはデザインです。ウェブ技術が発達してきたことで、サイトのデザイン性が重要になってきました。旧来の翻訳ソフトはテキスト部分だけを翻訳するものが多いのですが、デザイン性もカバーできるようにしたのが我々のサービスです。

たとえば、中国語サイトでは中国向けのフォントに変換したり、埋め込まれている写真も日本語と違うものに切り替えます。動的なコンテンツ(例:時間ごとに価格を変動し表示させるなど)への対応や、ブラウザごとの表示の調整も行います。ひとくちにデザインといっても、言語学、経済学、経営学、国際ビジネス論、宗教、文化などについて、企業ごとに考える必要があるんですよね。

もうひとつの課題は、社内での翻訳コンテンツの管理です。たとえば、日本語で「ワンピース」と表現している服を、英語ではどのように翻訳するというルールを決めるのかといった具合です。

こうしたウェブサイトの多言語化のポイントとなる機能を、全部まとめてひとつのパッケージのソフトウェアにしたのが当社の「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」というサービスです。

――それにしてもWOVN.ioというサービス名は特徴的ですね。サービス名の由来は?

上森(Wovn) 「Woven」という単語の「織る、織り込む」という意味から発生しています。「Woven」の「e」を抜いたのは、アルファベット4文字がいいという代表の林と共同創業者のJefflyのこだわりです。どのようなウェブサイトであっても、後から「織り込む」「後付け」できるサービスという特徴を表しています。

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