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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2019 Autumn レポート(AD)

フルカイテンがAIで確立、在庫適正化と売上・利益増の秘訣 目指すは「不要なものを作る必要がない社会」

 「半分が売れ残る」と言われるアパレル業界で、在庫が膨らみ利益を圧迫している現状に多くの企業が悩んでいる。売上を損なうことなく在庫を適正化するにはどうすればよいのか——2019年10月3日に「ECzine Day 2019 Autumn」にて行われたフルカイテン株式会社による講演「【大手ブランドも頼る新機軸AI】アパレルの在庫適正化と経常増益を両立するSaaS」で、同社代表取締役の瀬川直寛氏が、アパレル企業が余剰在庫から売上と利益を作る方法や、AI搭載のクラウドサービスで在庫適正化に成功した事例を語った。

供給過多なアパレル業界 負のスパイラルからいかに抜け出すか

講演するフルカイテン代表取締役の瀬川直寛氏

 コンパックコンピュータ(現 日本ヒューレット・パッカード)、スタートアップ数社を経て2012年5月、ベビー服などの小売事業を行う会社を設立した瀬川氏。しかし3度の倒産危機に直面した。そのすべてが「在庫問題」によるものだったという。危機を乗り越える過程で、学生時代に研究していたAIと統計学を駆使し、在庫問題の本質を解明。その研究成果を仕組み化したものが、2017年11月に販売を開始したクラウドサービス「FULL KAITEN」だ。2018年には小売事業を売却してフルカイテン株式会社に社名変更し、今年2月にバージョン2.0をリリース。ジュン、アシックス、ドーム(UNDER ARMOUR)などのアパレル企業をはじめ、さまざまな業界の在庫問題解決を支援している。

 はじめに瀬川氏は、「みなさんは売上増加のために、どういうことをされていますか?」と質問を投げかけた。

 多くのアパレル企業では、欠品による機会損失(売り逃がし)を避けようとするあまり、在庫を多めに積んでしまいがち。これらが売れ残り、長年にわたって積み重なることで在庫問題を形作ってきた。

 「たくさん積むと売れ残る。でも、売れ残りを懸念して在庫を減らしていくと、不思議なことに売上まで減ってしまう。売上増加と在庫適正化の両立は簡単ではないのです」と瀬川氏は説明する。これまで企業ごとに売上目標を追いかける一方で、在庫を持ちすぎないよう、経験や勘、独自のルールやツールで発注や在庫管理の方式を工夫してきたが、「限界を感じている」との声が多い。

 瀬川氏はアパレル業界の現状を提示しながら、在庫問題の背景を説明した。1990年と2010年の国内アパレル業界の市場規模・供給量を比較すると、市場規模は15兆円から10兆円と3分の2に縮小する一方、国内生産と輸入を合算した供給量は20億点から40億点と2倍に増加。「売れ残りが常態化している」と語った。

 続けて瀬川氏は「供給過多が生む負のスパイラル」について説明。

アパレル業界が陥っている負のスパイラル。ここから脱却するカギがFULL KAITENにある

 余剰在庫を抱える企業は、在庫をこれ以上増やすまいとセール開催を前倒ししたり回数を増やしたりする。セール頼りは粗利を削り、買い手が意識する商品の値ごろ感も下げてしまう(「待てば安く買える」など)。そこで、減った利益を補うため、原価をさらに下げようと大量生産・大量仕入れを行う。すると在庫が積み上がり、当然に余剰在庫も膨らむ——これが、アパレル業界全体を蝕んでいる負のスパイラルだ。瀬川氏は、「このスパイラルから抜け出さないと、売上・利益の増加と在庫適正化の両立は難しいでしょう」と語る。

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AIは“魔法の杖”ではない 間違えることを前提として予測するFULL KAITEN

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大場 敬子(オオバ ケイコ)

 ライター・エディター・漢方スタイリスト 出版社での7年の雑誌編集を経て、化粧品ブランドのコピーライターに転身。出産を機に独立し、現在はメーカーの広告や雑誌などで執筆する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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