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ECzine Day 2019 Autumn レポート(PR)

フルカイテンがAIで確立、在庫適正化と売上・利益増の秘訣 目指すは「不要なものを作る必要がない社会」

AIは“魔法の杖”ではない 間違えることを前提として予測するFULL KAITEN

 余剰在庫(=売れ残り)が膨らまないよう、販売数をなるべく正確に予測して消化率を高められるのでは、とAIへの期待が高まっている。しかし瀬川氏は、AI導入に踏み切った企業では「AIに対する当初の期待値と現場が実感する成果のギャップが大きい」と語った。

「『1憶円投資したにもかかわらず、従来のやりかたで社員が作ってきた予測精度と大差がなかった』『精度を上げるためにもっとデータがほしいと言われ続けてもう1年半が経った』『PoC(Proof of Concept:概念実証)をしたけど、効果が見込めなかった』といった声が上がっていて、AIに懐疑的な企業も増えています」(瀬川氏)

「AIは“魔法の杖”ではありません。外的要因の影響をまったく受けなければ高精度の販売予測ができますが、現実はそんなことはありません。たとえば競合他社が類似商品を値下げしたり、それを欠品させてしまったり、近くに競合店が出店したりすると、その影響を受けて売れ行きは変化します。こういった外的要因をも予測できるぐらいのデータがあれば良いですが、現実的にそうした大量のデータを手に入れるのは難しいので、予測精度にブレが出てしまう。それが現状です」(瀬川氏)

 ガートナーが発表する「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」によると、AIの現在地は「過度な期待」のピークとなっている。これから幻滅期と啓蒙活動期を経て、企業実務の世界にAIが本格普及するにはまだまだ長い年月が必要と言える。

 しかしフルカイテンは「AIには限界がある」と考えながらも、AIを用いたクラウドサービスを提供している。矛盾しているようにも見えるが、それは「『AIが予測を間違えることもある』ことを前提としてFULL KAITENを開発したからだ」と、瀬川氏は説明する。

FULL KAITENはAIの限界を踏まえたプロダクト設計になっている

 FULL KAITENは、SKUごとにどれくらい売れるかを予測するが、予測が外れることも見越して毎日予測し直し、都度答え合わせも実行する。AIの予測精度が抜群に優れていれば、理屈の上では余剰在庫は発生しないが、前述の通り現状それは不可能だ。その前提に立ったうえで、FULL KAITENでは全在庫をSKUごとに以下の3つに分類する。

  1. 『不良在庫』:売り切ることはほぼ不可能と予測されるSKU
  2. 『過剰在庫』:売れる商品ではあるが、売れ残ると予測されるSKU
  3. 『フル回転』:売り切れると予測されるSKU

 商品のライフサイクルは、「入荷」して「売れ始め」、「すごく売れる」ピークを迎えた後に「売れなくなってくる」ときを経て、「まったく売れなくなる」という流れが定番だ。FULL KAITENは、この流れを踏まえてSKUごとに分析を行う。

「本来は、『フル回転』『過剰』『不良』などSKUごとのステータスを考慮して在庫を消化していく必要があるのに、アパレル企業はよく売れる商品の販促ばかりを行い、そういった商品を欠品させないようにします。だからほかの商品が売れ残ってしまうのです」(瀬川氏)

 売れる商品を欠品させないようにする、売れる商品を増やすために商品数や仕入れを増やすといった従来の考え方では、余剰在庫もどんどん増えてしまう。これに対し、FULL KAITENのコンセプトは「在庫リスクが出てきた商品からも売上を作り、無駄な値引きをなくす」というものだ。

次のページ
「今ある在庫から利益を作る」考えかたで、不要なものを仕入れない

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大場 敬子(オオバ ケイコ)

 ライター・エディター・漢方スタイリスト 出版社での7年の雑誌編集を経て、化粧品ブランドのコピーライターに転身。出産を機に独立し、現在はメーカーの広告や雑誌などで執筆する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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