個人輸入上限全額が増額 カート以降を対策せよ
追い風も吹いていると言う。
「個人輸入の年間の購入上限金額が、2万元から2万6千元に増額されました(1回の購入金額も2,000元から5,000元へ増額)。純粋に自分のために日本の商品を買いたいという消費者に対する流通には、追い風です。そのためにサイトを多言語化するのか、カートと決済・物流およびコールセンター代行部分だけでもまずは対応するのかなど、対策していただきたいと思います。その際には中国での販促ができるだけでなく、決済とバックエンドがきちんと担えるパートナーを選んでください」
適している商材は、日用品や特徴のある雑貨など。これらは、カート以降の対応でも十分売れると言う。
「自分が海外のECサイトから購入するのをイメージしていただくとわかりやすいのですが、モールでなくわざわざ海外のECサイトから買うものは何か。たとえば、その商品をすでに使用しているものだったり、商品詳細をじっくり読まなくとも写真を見るだけでかわいい、素敵だと思うものですよね。一方で肌につけるコスメや口に入れる食品は、しっかり調べてから決めたい」
自社サイトへの集客方法は、WeChatやウェイボーに公式サイトを出すなどして地道に告知すること。中国のインフルエンサーであるKOLの活用は、人気KOLだとそれなりの投資がかかると認識しておきたい。
「中国人は、なぜその商品が良いのかを突き詰めます。理由は、偽物や粗悪品に懲りているから。これまで、メイド・イン・ジャパンはその部分で信頼がありました。一方で、日本製だから良いという評価がいつまで通じるのかも疑問です。オムツひとつとっても、0歳のうちは日本製でも、1歳になったら中国製という選択肢も増えてきているとか。日本製であることに驕らず、地道に、中国人にも伝わるよう、自社の商品の良さを伝えていくべきだと考えます」(取材:2019年1月)
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