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データポータルでオムニチャネル分析を実現!社内共有ダッシュボードを構築したUNiCASEの取り組み

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2019/03/13 11:00

 スマホアクセサリーを販売する「UNiCASE」が、実店舗での販売をデータドリブンに行うため、Google データポータルの活用を始めた。そのプロジェクトにともに取り組んだのは、UNiCASEのECを決済、そしてデジタルマーケティングで長年支援し、信頼関係を構築してきたGMOペイメントゲートウェイである。いま注目のデータポータル活用プロジェクトをどのように進めていったのか。また、決済サービスで有名なGMOペイメントゲートウェイのデジタルマーケティング支援の実力とは。

UNiCASEが実店舗でデータポータルを活用 GMO-PGが支援

 CCCフロンティアが運営する「UNiCASE」は、6万点に及ぶスマートフォンアクセサリーを販売するオンラインストアだ。実店舗も展開し、北海道から九州、海外はハワイまで14店舗を数える。また同社では、UNiCASEで培ったノウハウを活かし、小売業者向けにコンサルティングやシステム開発支援も行っている。

 オンラインストアに、GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の決済サービスを導入したのは2011年と、その付き合いは長い。GMO-PGでは、決済サービスのみならず、デジタルマーケティングを中心とした事業者の売上アップ支援となるサービスも提供。UNiCASEが事業を開始してしばらくは、広告出稿よりもオーガニックサーチに力を入れてきたが、GMO-PGに協力を要請したタイミングで、リスティング広告を中心にネット広告の出稿を開始、そこからはともにUNiCASEを成長させてきた。

 そして2018年、2社は新しいプロジェクトに挑戦した。UNiCASEの実店舗におけるデータドリブンな販売を実現するため、Google データポータルを活用しようというものである。同プロジェクトの詳細について、かかわった4人に話を聞いた。

――なぜ今回、データポータルを活用するプロジェクトに取り組むことになったのでしょうか。経緯をお話しください。

「UNiCASE」事業を統括する CCCフロンティア株式会社 取締役 岡部源紀さん

小沼(GMO-PG) そもそも、オンラインストア「UNiCASE」様では、2010年にGMO-PGの決済サービスを導入、それから約8年にわたりご利用いただいています。また当社では、決済サービス導入企業様に対し、より売上を上げていただくべく、デジタルマーケティングでの支援を行っています。デジタルマーケティング支援に関しても、2013年6月からご利用いただき、5年以上のお付き合いです。今回のデータポータル活用についても、売上アップ支援の一環です。

岡部(UNiCASE) UNiCASEの場合、もともとSEOが強かったこともあり、2013年頃まではオーガニックサーチに力を入れ、リスティング広告等の広告出稿は行っていませんでいした。きっかけは、GMO-PGさんのセミナーに参加したことです。そこから、さまざまな支援会社さんのお話を聞きましたが、ご提案いただいた内容が一番良かったと感じましたので、GMO-PGさんにお願いすることにしました。すでに決済サービスを利用していましたので、トータルにお任せできることもメリットだと感じました。

小沼(GMO-PG) UNiCASE様は、グループ会社でシステム開発やWebデザインを行うCCCフロンティアラボ様の協力もあるため、新しい施策に対し迅速に対応いただけます。今回の実店舗でのデータポータル活用に関しても、ご両者様とならぜひご一緒したい、きっとやり遂げられると思いました。

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
マーケティング支援部 企画戦略課 課長 シニアコンサルタント 小沼晃子さん

見たいデータを“翻訳”した形で見られるから、すぐに施策が打てる

――UNiCASEさんの実店舗でのデータポータル活用について、プロジェクトはどのように進んだのでしょうか。

辻本(GMO-PG) 当初は、ECサイトを分析するうえで要点をおさえたダッシュボードをデータポータルで構築するという提案をしました。するとUNiCASE様から、「データポータルを実店舗のデータ解析に使えないか」と要望いただいたんです。実店舗のデータ解析においては、他の有料ツールも検討しつつ、調査を重ねた結果、データポータルでも実現可能であると判断し、プロジェクトがスタートしました。

Google Analytics(以下、GA)の数値をデータポータルにつないでいる事業者様はめずらしくありませんが、実店舗のデータをデータポータルに活用している事例はそう多くないと思います。今回の取り組みを経験することで、今後、多くの事業者様のオムニチャネル化のサポートにもつながると考えました。

上田(UNiCASE) 当社の場合、ECサイト、POSも含めシステムをグループ会社のCCCフロンティアラボですべてフルスクラッチで開発しています。オムニチャネルのシステム構築は数年前に完了しており、オフラインとオンラインのデータは統合できています。

店舗スタッフから、店舗やECの売上情報から販売分析を行いたいと要望があったのですが、解決策がなくラボに相談していました。CCCフロンティアラボが、なるべくコストを掛けずに実現できるBigQuery+データポータルで分析する方法を検討していたところに、GMO-PGさんからデータポータルの設定を行うサービスのご提案があり、このプロジェクトがスタートしました。

オンラインストア「UNiCASE」の運営を行う CCCフロンティア株式会社 営業部 マネージャー 上田真士さん

辻本(GMO-PG) 調査の段階では、データポータルに限定せず、さまざまなBI(Business Intelligence)を検討しました。また、基幹システムにあるPOSデータのクラウドへの上げかたや、データビジュアライズに必要なデータ処理などの課題を、CCCフロンティアラボ様の技術力も頼りにさせていただきながら、1つひとつクリアしていきました。基盤が整ったところで、もっとも重要な課題であるダッシュボードのアウトプットについて考えることになりました。

UNiCASE様、CCCフロンティアラボ様のご協力で、実店舗で販売を担当するスタッフの方々をアサインいただき、日々お使いのExcelファイルを複数拝見しました。そして、本当は見たいと思っているのに見られないデータやExcelを使用しながら感じている課題などについて、長い時間を割いていただいてヒアリングしました。それをもとに、設計図に落とし込んだのが第二段階です。

設計図を実装する際には、少し作ってはエラーが起きてやり直すというやりとりを、CCCフロンティアラボ様のエンジニアの方々と頻繁に行いました。プロジェクト自体、それほど長い時間はかからなかったのですが、やりとりの回数は非常に多かったと思います。

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
マーケティング支援部 企画戦略課 課長代理 アナリスト 辻本隆一さん

岡部(UNiCASE) 多くの小売店舗では、すでに混雑する時間帯や顧客データ等の分析はされていると思います。しかし、今回のデータポータルを活用する取り組みでは、分析したデータを各店舗のスタッフが見たい形に“翻訳”して見られるようにしたかったんです。会計データだけでも月に数十万件貯まっていく、いわゆるビッグデータを分析し、システムに詳しくない、実店舗のいちスタッフでも簡単に使えるということが絶対条件でした。

辻本(GMO-PG) 有料のBIであればもっと簡単に実現できたのでしょうが、無料のデータポータルで実現できたことは大きいと思います。

――11月にリリースされ、取材時点で4ヵ月ほど経過しました。何か成果につながっていますか?

上田(UNiCASE) 店舗にはExcelが使えないスタッフもいます。複雑になるほど、ダッシュボードを作ることが目的になり、次のアクションにつながっていかないと思います。しかし、データポータルを見ればすでにダッシュボードは組み上がっています。それをもとに商品のゾーニングを考えるなど、次の売上につながる施策を考えるところからスタートできるのが、非常にありがたいです。

岡部(UNiCASE) リリースから1ヵ月後の12月に、データポータルのダッシュボードを見て、全店舗のゾーニングを変更しました。増やしたカテゴリの商品が売れ、売上増につながっています。いろいろと細かく要望を出させていただいたので、GMO-PGさんはしんどかったと思いますが、よくやってくださいました。

もっと売るために自分が見たかったデータだから、使い続けられる

――今回のプロジェクトのご経験から、EC/小売事業者がオムニチャネルなマーケティングを実現するためにアドバイスがあれば教えてください。

辻本(GMO-PG) 今回のデータポータル活用プロジェクトは、現場で販売を行う方々から、「こんな分析がしたい」「こんなデータが見たい」という要望をたくさんいただいたため、短期間で形にできたと考えています。事業者様側に「こうしたい」がないと、見た目はきれいだけれど実務に使えないダッシュボードになってしまうのではと懸念しています。

データポータルは、作業中に他のメンバーが閲覧するとわかる仕組みになっています。リリースするまでの間に、岡部さんが何度も見に来てくださいました。「ここを修正してほしい」とご指示があった後は、修正した箇所をきちんとチェックされていることもわかりました。プレッシャーも感じましたが、作るのをお手伝いした側としてはうれしかったです。リリースした後も、ダッシュボードを使い続けていただける熱量を感じました。事業者様側の、使い続ける情熱も必要ではないかと思います。

岡部(UNiCASE) 当社はG Suiteを使っているのですが、アカウント管理にとても便利でした。GAやサーチコンソールの権限を気にせずに、店舗のスタッフもすでに持っているアカウントで見ることができたのは大きかったと思います。アカウントによってフィルタをかけて、見るべきデータを分けられるのもいいですね。

ものを売ることに対してモチベーションは高いのだけれど、システムが苦手でデータを利用するまでに至らないスタッフはたくさんいます。しかし、データポータルはビジュアライズされていて見やすいのでしょう。最初に出来上がった際に「めっちゃいいですね!」といった声が、現場からたくさん寄せられました。リリースから時間が経ったので、いかに使い続けてもらうかという視点でのアップデートは重要だと考えています。データポータルを活用すればさまざまなことが安価に実現できるので、オススメです。

UNiCASEが実店舗でデータポータルを活用するプロジェクトを進めた皆さん

――今後のご展望をお聞かせください。

上田(UNiCASE) データポータルを活用するノウハウが、ようやく貯まってきたと感じています。それを活かし、ほかの小売業様のMDやスタッフ教育などのご支援が行えればと考えています。小売業の課題は共通していると思いますので、コンサルティングやCCCフロンティアラボのシステム開発での支援もご提供していきたいです。

岡部(UNiCASE) すでにほかの小売業様へのご支援は行っているのですが、ECだけでなく実店舗も含めたデータポータルの構築事例はそう多くないでしょう。今回のプロジェクトで得られたノウハウで、実店舗をお持ちの小売業様のお役にも立てるのではと考えています。

小沼(GMO-PG) 私どもGMO-PGも、お客様のイノベーションパートナーとして、広告運用やオンライン/オフラインにかかわらず総合的に支援していくべきであり、また実現できると今回のプロジェクトで感じました。オムニチャネル施策は複数ご提案できるのですが、実店舗とECのデータが連携していない企業様が多いです。UNiCASE様に関しては、今回基盤を整えることはできたので、実店舗来店ユーザーとECのデモグラフィックデータを複合的に分析したり、分析結果を活かしたジオターゲティング広告や来店促進広告による成果拡大にも挑戦していきたいです。

辻本(GMO-PG) お客様は実店舗とECを、またいで活用されています。デジタルの施策によってデジタルでコンバージョンしなかったけれど、実店舗の来店につながったといったことは実際に起きています。その動きを、いかにデータで捉え、施策に活かせるか。オムニチャネルでとらえた会社全体の売上拡大につながる施策を、我々もレベルアップして実現していきたいと考えています。

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