BtoB分野にも意欲 海外ユーザーにも国内と同等のサービスを
――SAP Hybris導入にあたり、苦労などはありましたか?
SAP Hybrisを導入してリニューアルオープンした際、裏側のシステムのリプレースを最優先事項にしていたため、サイトのデザインなど、表の見た目はまったく変わりませんでした。そのことについて、周囲の人間を説得する必要がありました。ある程度の期間と予算を投入しているリニューアルですし、目に見える変化が欲しい気持ちはわかりますが、まず優先すべきは、3年後にグローバル展開していくために必要な土台作りであり、システムをより安定的に動かすことだと言って説得しました。
――今後、SAP Hybrisの導入を考えている企業などにアドバイスをお願いします。
SAP Hybrisのことを、きちんと理解しているSIerさんを選ぶことではないでしょうか。現在のところ、国内でSAP Hybrisを導入した経験がある開発会社さんは多くありません。かつ、我々のような越境ECの分野の知見があるところといったら、より少なくなるでしょう。
ただでさえ、ECは気を配らなければならない領域が広いため、はじめからあらゆる場合に備えておかないと、途中で行き詰まってしまいます。プロジェクトを進めていく上で気をつけなければならないポイント、たとえば物流ではこういうトラブルが起きやすいからそれを未然に防ぐ機能をつけておこうとか、決済時に処理が必要なデータ種別を洗い出すといった要件定義は、長い時間をかけないと後から痛い目に遭ってしまうことになりかねません。
当社では、SAP Hybrisの導入代行業務も承っており、物流やカスタマーサポートもセットでご提供していますが、SAPさん側でもそういった開発会社が増えるよう後押ししていただくと、より広まっていくのではと思います。
――最後に、これからSAP Hybrisを使ってやっていきたいことはありますか?
BtoCのみならず、BtoB領域や物流管理、それにまだ一部でしかできていない現地出荷を推進していきたいです。海外のマニアの方は、なかなか商品が手に入らないばかりに、定価の何倍も支払って購入しているという現実があります。それは健全とは言えませんし、逆にそれだけ需要があるということはビジネスチャンスでもあるわけです。
現地での販売や物流網の構築、海外のお客様に日本と遜色ないサービスを提供することに力を入れていきたいです。その頃にはSAP Hybrisも今以上に進化していると思いますので、機能を上手に利用してビジネスの成長につなげたいです(了)。
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