理想的な着地を見せた開発 想定とは違う思わぬ効果が
――Amazon Payの導入にあたり、工夫された点はありましたか?
毛塚(アイピー) KEYUCA様のECサイトはデザインを重視されていることもあり、自由度の高いEC-CUBEが採用されていました。加えて独自のカスタマイズや各種システムとの連携も多くあり、新たな機能を導入するとなれば、当然それらとうまく連動させる必要があります。そうした影響範囲の調査や動きの確認などには、ある程度、時間を費やしました。
田中(IFS) 特に会員登録の部分ですよね。KEYUCA様はオムニチャネル対応が進んでおり、店舗とECサイト間で会員情報がリアルタイム連動しているため、そのカスタマイズが一番苦労したように思います。
ただ、最終的には理想としていた形に落とし込むことができました。KEYUCA様での入力必須項目とAmazonアカウントのID情報には差異があったのですが、最終的にお客様に追加で情報を入力いただかなくても登録が完了する仕様にできたのです。
藤田(KEYUCA) 当初はカゴ落ち対策として始めた施策が、結果的には新規会員登録で非常に大きな成果が出た形になりました。我々としては、今後は新たにご登録いただいたお客様に配信するコンテンツや、お届けする情報の中身を充実させていきたいと思っています。
売上2倍以上、年末商戦をはるかに上回る効果に驚き
――Amazon Payの導入後、非常に大きな効果があったとのことですが、それはどういった点でしょうか。
田中(IFS) はい。最も大きかったのは、新規会員の売上増加とコンバージョンの改善です。たとえば、トップページからお買い物を始めた新規会員のコンバージョン率は3倍以上に増加し、新規会員の売上全体では9倍もの成長をしています。全体平均で見ても、コンバージョン率で1.5倍以上、売上では2倍以上に増加しています。Amazon Payの導入開始が2017年1月で、前月の12月はKEYUCA様にとっても重要な商戦期でしたが、それでも前月比で大きな結果を残すことができました。
毛塚(アイピー) 当社は他にも200サイトほど担当させていただいており、売上やコンバージョン率、会員登録率の平均値も見てきましたが、ここまで改善・増加されるケースはなかなかありませんので、素直に良かったなという思いです。
藤田(KEYUCA) この結果を見ると、やはりカートに入れてからのステップの多さ、会員登録の煩わしさが大きな障壁になっていたのではないかと考えられます。「新しく登録するのはちょっと面倒だけど、Amazonのアカウントで払えるなら買う」というお客様が想定以上にいらっしゃったということだと思います。