ファッションレンタルサービス「メチャカリ」の現状を聞く
ストライプインターナショナルは、皆さんご存じの「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」ほか、たくさんのファッションブランドを展開しています。ファッションだけではなく、ライフスタイル、飲食まで幅広く手がけている企業です。
ストライプインターナショナルでは、2015年9月にファッションレンタルサービス「メチャカリ」をリリース。サービスを統括するのは、メチャカリ部 部長であり、グローバルファッションEC本部 副本部長でもある、澤田昌紀さんです。
株式会社ストライプインターナショナル
グローバルファッションEC本部 副本部長 兼 メチャカリ部 部長 澤田昌紀さん
ノーウェア、ゴルフダイジェスト・オンラインを経て、2013年株クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)に入社し、EC事業を担当。2015年9月アパレル業界初のファッションレンタルサービス「メチャカリ」の立ち上げに携わる。2017年2月、グローバルファッションEC本部 副本部長に就任。
――最初に、澤田さんのキャリアについてお聞かせください。
澤田 以前、メガネスーパーの川添さんと対談させていただきました(参照記事)。そこでもお話ししていますが、新卒でA BATHING APEを展開するノーウェアに就職しました。最初は、販売からキャリアをスタートして、その後本社へ異動になり、商品の生産や企画をしていました。デザイナーのNIGOさんの近くで働くことは本当に刺激的でしたね。
その後、独立してフリーランスで洋服を作ったりしました。なかなかフリーで働くのは難しく、2010年にゴルフダイジェスト・オンライン、2013年にクロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)入社というキャリアです。ECのキャリアとしては、現在7年目くらいでしょうか。
――なぜファッションレンタルのサービスをはじめようと思ったんですか?
澤田 もともとは、代表の石川の発案ですね。「レンタル」というキーワードを渡されて、詳細の事業モデルを組み立てていきました。メチャカリの現在の形である、「月額定額制」や「借り放題」のようなものの指定はなく、洋服をレンタルするという大枠の構想からのスタートでしたね。
実は「レンタル」には前段がありまして、先にリユース(中古販売・買取)の事業を検討しているとは聞いていました。リサーチしてみると、アパレルメーカーとして先行して取り組んでいる事例はまったくありませんでした。ビジネスとしてではなく、CSRとして不要になった洋服を引き取ることなどは取り組んでいる企業はあると思います。
石川に確認してみると、リユースをCSRではなく、ビジネスとしてやりたいということでした。しばらく頭を抱えていると、その後「レンタル」と組み合わせることで実現できそうだということになったんです。
当社は、アパレル業界とは異なる業界のビジネスモデルやマーケティング手法を取り入れ、成長してきた会社だと考えています。たとえば、テレビCMです。当社では、宮﨑あおいさんに出演していただき、ファッションブランド「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」のテレビCMを打っています。ファッションブランドのテレビCMはまったくなかったわけではありませんが、皆さんの印象に残るほどは放映されていなかったと思います。他の業界ではテレビCMは当たり前ですが、アパレル企業では当たり前ではなかった、そういうものを取り入れていく会社です。
新品の商品を販売し、レンタルも並行、そして中古販売も行う。これらの要素で、一番最初に思いつくビジネスはなんでしょうか。TSUTAYAさんを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。でも、ほかの業種でも行われています。たとえば自動車業界であれば、もちろん新車の販売もするし、レンタカーも中古車の買取、販売もありよね。商品が、本やCD・DVDか、車か、洋服かと違うだけです。そして、私たちは洋服を作っているということです。