機械学習をECで使うには。ターゲット作成で88%の精度達成も
AIや機械学習、そしてMAの基本知識について披露された今回のセッション。最後に、両者をEC事業で活用するにはどうすべきかが語られた。
「機械学習をMAに応用する際、いろいろなパターンが考えられますが、我々は現在、ターゲットの自動作成、タイミング設定、レコメンド精度の向上、PDCAサイクルの高速化に取り組んでいます。
具体的には、まず購入履歴やコンバージョンデータを学習させます。数回では精度が足りませんが、1,000回、10,000回と試していくうちに88%という成績を残すようになります。これらを、人間の手を介すことなく自動で回していくことに取り組んでいます。
また、ABテストの自動化にも取り組んでいます。これは計測して改善するという流れではなく、たとえば20%の対象にABテストを行い、効果のよかった方を残りの80%に適用するというやりかたです。テスト、検証、改善、実行という一連のサイクルを、すべて自動で行えるようになるわけです。
今後は精度の高いデータを持つ企業が有利な時代へ
膨大なデータを収集、解析し、自ら試行錯誤を行う。これらを、人間とは比べ物にならないほどの速さで回し続ける機械学習の本質。売上や利益の向上を目指すECに限らず、デジタルマーケティング全般において、今後欠かせない存在になることはほぼ間違いなさそうだ。
山田氏は最後に、機械学習をMAに応用する際に注意すべき点について語り、セッションを締めくくった。
「何より重要なのは、『精度の高いデータを蓄積すること』です。どんなに優秀なアルゴリズムやMAの仕組みがあったとしても、データに信憑性がなければ、導かれた答えも信用できないものとなります。逆にそれさえあれば、PDCAを超高速で回してくれる機械学習は、EC事業者様にとっても強い味方となるでしょう」