「自動で接客、レコメンド」 MAの基本とは
専門家の視点から、AI、機械学習などの基本知識が展開された本セッション。ここからは、MAがEC事業にもたらす効果、および同社が展開するMAツール「アクティブコアマーケティングクラウド」での実例が紹介された。
「機械学習のECへの応用をお話する前に、まず基本的なMAの仕組みについておさらいします。顧客情報、売上データ、アプリやWebの行動ログなどを集め、ターゲット顧客を抽出してシナリオを作り、メールやアプリでオファーを出す。これらがMAの一般的な流れです。
やはりECにおいてMAを活用する際に重要なのは、データの整合性です。商品・会員・注文データ、Web履歴などいろいろありますが、まずデータをひも付けることが何より先んじます。
当社で行った新規顧客開拓事例では、DMPと連携し、性別、誕生日、初回・最終購入日などのデータを分析。潜在顧客に対し広告を配信するといった試みを行いました。また、自社サイトにしばらく来ていない、メルマガもオプトアウトしているいわゆる休眠状態のお客様のCookieを抽出し、SNSなどで広告を配信します。こちらもMAでこなせる分野です」
パーソナライズがカギ。既存顧客の掘り起こしにMAを活用する方法
「次は既存顧客対策です。この場合、オファーの内容を人によって変えるのが重要です。
あるECサービスの事例では、まず商品発送5日後に、着荷確認や初期不良の確認も併せてメールを送付した後、次に商品ページを閲覧し購入しなかったお客様へリマインドメール。最後に、最終購入日から90日経過したお客様にレコメンドをするという施策を行いました。CVRはそれぞれ、3%、5%、6%となり、とくに最後のお客様に関してはクリック率が13%と、オファーはタイミングが重要であることがわかります。
また化粧品業界のお客様の事例では、何で作られているのかという成分、何に効くのかという効能で訴求方法を変えています。これは、LPやクリエイティブを複数用意し、どのフローを経由したかによって、オファーメールの内容を変えるといった方法です」
その他にも、「レコメンドに反応がなかった商品は自動的に除外する」「メール開封の有無など顧客の状態に応じたカゴ落ちメール」「クロスデバイスによるプッシュ」など、MAで実現できるCVRの改善方法について具体的に語られた。