更新し続けたくなる「メディアEC」構築の秘密
――WordPressと「どこでもカラーミー」を組み合わせた理由はなんですか?
唯木(泰地) コストを抑えたECサイト運営に更新性も担保できるという点で、この組み合わせを選びました。伝えたいことをたくさん発信するメディアEC型のサイトを構築する場合、サイトを作って終わりではなくその後の更新性がカギになります。動きのあるサイトを作るためには、見た目のデザインだけでなく、更新のしやすさなどクライアントの使い勝手も重視してEC作成サービスを選ぶ必要がありますね。
最近は他のクライアントからも、「オウンドメディアの中でお買い物もできるようにしたい」という相談が増えているので、この組み合わせを提案することも多いです。
安宅(GMOペパボ) ノヴァさんのメディアEC運営における課題と、それを解決した具体的な工夫などはありますか?
唯木(泰地) ノヴァさんのような複数のメディアECでは、それぞれ情報を投稿してもらうのは負担が大きく、時間が経つに連れ更新されなくなってしまうといったことが起きがちです。そのため、コーポレートサイトのWordPressに投稿した内容をRSSでECサイトに反映させる機能を用意しました。
安宅(GMOペパボ) 制作の段階で、更新する人の使いやすさを重視して設計していらっしゃるんですね。
ブッシュ(ノヴァ) 唯木さんがおっしゃったように、ECサイト運営の初心者であってもどんどん更新し続けたくなるような設計をしてくださるのは、とてもありがたいです。「サイトをもっとこうしたい」というアイディアもたくさん出てきます。
唯木(泰地) ウェブサイトは更新してもらわないと意味がないと考えていて、更新しやすさは必須だと思っています。さらに言えば、楽しく更新できることも大事だと思います。せっかく頑張って作っても、更新されずにサイトが「死んで」しまうのはどうしても避けたい。そこまでやって、デザイナーとして「納品」と言えるのではないかと思っています。
更新をしやすくするために、スタッフさん向けの写真講座もやりました。ECでは写真がとても重要ですが、毎回プロに頼むのは限界があります。だから、プロのカメラマンに直接ノヴァさんまで来ていただいて教えてもらったんです。それからみなさんどんどん写真がうまくなって、テキストのほうもイキイキしてきたと感じます。
ブッシュ(ノヴァ) みんなマイカメラを買いました(笑)。買いたくなるんです。今までオートで撮っていたのがマニュアルで撮れるようになった。撮影の技術を教えてもらったのは大きかったです。
安宅(GMOペパボ) 単に更新できる仕組みをデザインするだけではなくて、きちんとクオリティを保ちながら継続できる体制を作られているんですね。
唯木(泰地) やっぱり、直接ブッシュさんの熱意を聞いてお金と時間もかけて作って、「できました、終わり」なんてことは……、ブッシュさんの顔が浮かんできてしまうので、そんな無責任なことはできません。
安宅(GMOペパボ) 理想的な関係ですね。実際に、ノヴァさんは更新頻度が高くてすごいなと思います。商品だけでなく、食べかたやライフスタイルまで含めて発信されていますよね。
ブッシュ(ノヴァ) タイル状のレイアウトなので、更新しないといけないというプレッシャーもありますね。古いものがずっと残っていたら気になりますし。
唯木(泰地) それは計算してなかったな(笑)。
ブッシュ(ノヴァ) SNSに上げやすいのもいいですね。商品などを紹介しようとしたら、まずWordPressに投稿し、SNSでシェアするという流れができています。トップページにすぐに反映されるので、プレッシャーもありつつ、楽しく更新しています。