緻密なシナリオづくり、データの選定が功を奏し、開封率は3倍以上に
――マーケティングオートメーションツールはいくつも出てきていますが、その中で、「アール・エイト」の特徴はこれだ!というポイントを教えていただけますか。
野中(VC) アール・エイトは、データ分析を得意としています。たとえば、商品の種類、購入日時、価格、あるいは顧客の住まい、年齢、性別などから、「顧客ランク」や「クラスタ」といったものを作成します。その上で、ランクの高いお客様はいつどんな商品を購入するのかなどを分析・予測し、ご提案します。
生協様の場合は、我々のほうから定期的にデータを受け取りに行く仕組みを構築し、アール・エイトに適したデータ型に変換する方法を採用しました。
峰村(NS) データ受け渡しの部分はすごくありがたかったですね。我々だけでは取り出せるデータに限界がある中、野中さんにご協力いただいたのは大変助かりました。
――アール・エイト採用から、本格的に活用するまでの流れを教えていただけますか。
峰村(NS) 2015年11月頃なので、半年程度ですね。
野中(VC) 11月までに2~3ヶ月の導入フェーズがありました。その際に、どのようなデータが必要か、どう変換するのか、どういった施策を行うべきかを決めました。
峰村(NS) セグメントごとの施策や、テンプレートのフォーマット決め、シナリオ作りなどはもちろん、本来はこちらでやるべきツールへの登録、社内で活用するマニュアル作りなども、野中さんにお手伝いいただきました。テストも夜遅くまでかかり、何度も足を運んでいただくなど、我々の経験不足でご迷惑をお掛けしました。加えて、ツールそのものだけでなく、マーケターとしての視点で使いかたをサポートしてくださったこともありがたかったです。
野中(VC) 準備を進めていくうちに、今回の生協様の課題が「一度購入された顧客に、二度目も購入いただくこと」だとわかったので、施策の選定が明確になりました。たとえば「一度目の購入時にこのカテゴリの商品を選んでいる顧客層はボリュームが大きいので、集中的に施策を打ちましょう」といった具合です。あまりセグメントしすぎると母数が出ず、インパクトがなくなることもあるため、ボリュームをキープしつつ、バランスを取る施策に落とし込みました。
――実際の成果はいかがでしたか?
峰村(NS) 想定していたより早く、初回利用者へのフォローメール開封率が約3倍の45%に増加し、CTRも約1.9倍になりました。この成果により、導入費や利用料はすでにカバーできた計算になるので、それも良かったと思います(笑)。
――セグメントされているとはいえ、それはすごい数字ですね。
●アール・エイトとは
「100万人の顧客に100万通りのタイミング×施策」を掲げるマーケティングオートメーションツール。ブラウザ上の行動データだけでなく、購買データなどを用いた分析から、顧客ランク付けなどを行い、ダッシュボードでわかりやすく表示する。コミュニケーション手段はメールだけでなく、広告やSMSでも可能。2016年7月より、バリューコマース株式会社が提供。