多すぎたメルマガ、下がる開封率。One to One施策として「アール・エイト」を導入
――峰村さんのお仕事内容を教えていただけますか。
峰村(日本生活協同組合連合会、以下NS) 通販本部という部署は、「くらしと生協」というカタログを作っています。生協というと食品のイメージがありますが、我々が扱うのは、洋服や家具、寝具など「非食品」と呼ばれる分野です。チラシ作り、仕入れ、お届けから問い合わせまでを一気通貫で行っているのが特徴です。
私のグループでは、その中でもインターネット販売を担当し、商品企画やメルマガプロモーションなどを運営しています。今回、バリューコマースの提供する「R∞(アール・エイト)」を導入したのは、メルマガ施策の強化、改善のためですね。
――野中さんはどのような役割を?
野中(バリューコマース、以下VC) 私は導入までの支援と、その後、クライアントがツールを活用し、売上を上げるためのサポートをさせていただく立場です。クライアントが取り組みたい施策を整理し、実現のために必要なタスク、データの種類などを洗い出し、運用からサポートまでをお手伝いしています。
――「アール・エイト」導入前は、どのような課題があったのでしょうか。
峰村(NS) 我々は「日本生活協同組合連合会」という組織なのですが、生協は、「コープみらい」や「コープこうべ」など地域ごとにも組織があります。そのため、両者からメルマガが配信されている状況が続いていたのですが、それは組合員さんには多すぎたのかもしれません。開封率とクリック率は年々下がり続けていました。数ではなく、質を上げるため、お客様個別の接客、いわゆるOne to Oneコミュニケーション施策の実現に悩んでおり、アール・エイトのデモを拝見したのはそんな頃でした。
初見の感想としては、One to Oneコミュニケーションはもちろん、自動化の面でも非常に簡易に見えたこと。システム部門の開発も不要で、運用担当の我々だけでできるスピード感もいいなと感じました。また、複数パターンのメールでテストができる点、「顧客ランク」という仕組み、行動・嗜好性に応じたメールの出し分け、サイトログの分析など、豊富な機能が揃っているにもかかわらず、コストも手頃だったため、導入を決めました。加えて、アール・エイトは、EC事業者の利用を想定して作られていたので、利用のイメージが湧いたということもあります。
緻密なシナリオづくり、データの選定が功を奏し、開封率は3倍以上に
――マーケティングオートメーションツールはいくつも出てきていますが、その中で、「アール・エイト」の特徴はこれだ!というポイントを教えていただけますか。
野中(VC) アール・エイトは、データ分析を得意としています。たとえば、商品の種類、購入日時、価格、あるいは顧客の住まい、年齢、性別などから、「顧客ランク」や「クラスタ」といったものを作成します。その上で、ランクの高いお客様はいつどんな商品を購入するのかなどを分析・予測し、ご提案します。
生協様の場合は、我々のほうから定期的にデータを受け取りに行く仕組みを構築し、アール・エイトに適したデータ型に変換する方法を採用しました。
峰村(NS) データ受け渡しの部分はすごくありがたかったですね。我々だけでは取り出せるデータに限界がある中、野中さんにご協力いただいたのは大変助かりました。
――アール・エイト採用から、本格的に活用するまでの流れを教えていただけますか。
峰村(NS) 2015年11月頃なので、半年程度ですね。
野中(VC) 11月までに2~3ヶ月の導入フェーズがありました。その際に、どのようなデータが必要か、どう変換するのか、どういった施策を行うべきかを決めました。
峰村(NS) セグメントごとの施策や、テンプレートのフォーマット決め、シナリオ作りなどはもちろん、本来はこちらでやるべきツールへの登録、社内で活用するマニュアル作りなども、野中さんにお手伝いいただきました。テストも夜遅くまでかかり、何度も足を運んでいただくなど、我々の経験不足でご迷惑をお掛けしました。加えて、ツールそのものだけでなく、マーケターとしての視点で使いかたをサポートしてくださったこともありがたかったです。
野中(VC) 準備を進めていくうちに、今回の生協様の課題が「一度購入された顧客に、二度目も購入いただくこと」だとわかったので、施策の選定が明確になりました。たとえば「一度目の購入時にこのカテゴリの商品を選んでいる顧客層はボリュームが大きいので、集中的に施策を打ちましょう」といった具合です。あまりセグメントしすぎると母数が出ず、インパクトがなくなることもあるため、ボリュームをキープしつつ、バランスを取る施策に落とし込みました。
――実際の成果はいかがでしたか?
峰村(NS) 想定していたより早く、初回利用者へのフォローメール開封率が約3倍の45%に増加し、CTRも約1.9倍になりました。この成果により、導入費や利用料はすでにカバーできた計算になるので、それも良かったと思います(笑)。
――セグメントされているとはいえ、それはすごい数字ですね。
●アール・エイトとは
「100万人の顧客に100万通りのタイミング×施策」を掲げるマーケティングオートメーションツール。ブラウザ上の行動データだけでなく、購買データなどを用いた分析から、顧客ランク付けなどを行い、ダッシュボードでわかりやすく表示する。コミュニケーション手段はメールだけでなく、広告やSMSでも可能。2016年7月より、バリューコマース株式会社が提供。
データさえあれば切り口は豊富。今後も積極的に活用したい
野中(VC) もうひとつ、アール・エイトの特徴として、グラフィカルで使いやすい管理画面があります。
峰村(NS) 顧客の状態を色分けして表示する機能があるんです。黄色だと要注意、赤だと離脱しそうだから危ない、などがひと目でわかるので面白いですね。それから、Tableauとつながっているのも便利です。
――アール・エイトの利点はどんなところですか?
峰村(NS) キャンペーン設計や効果検証も、ひと目で実行できるのはもちろんですが、データさえあれば、さまざまな施策に挑戦できるのが一番の利点ですね。たとえば他社製品では、カート落ちリマインドはできるが顧客ランクはできないなど、一長一短なところがありました。今後は、「予備項目」という仕組みをもっと活用したいと考えています。これは、データさえ提供すれば、いろいろな軸が作れるようになる仕組み。ですよね?
野中(VC) そうですね。予備項目を使うと、当初設定したもの以外にも軸を作ることが可能になります。たとえば、ユーザーIDと購入回数を組み合わせることで、お客様ごとの購入回数がカウントできるようになるなどです。
――今後の展望を教えてください。
峰村(NS) 新たにアンケートメールをはじめたいと考えています。たとえば、特定の商品を購入いただいたお客様に、動機やきっかけをうかがうなどですね。それを、商品企画の改善につなげたいと考えています。
さらに、これは野中さんからいただいたアイデアなのですが、たとえば、ファッション商品のページを見たユーザーに、その商品が属するカテゴリのランキングを配信するといったこともやってみたいです。当サイトはカテゴリが多いため、すべてに興味があるユーザーは少ないと想定されますので、絞って提供すればノイズになりにくいのではないかと考えています。
――今日はありがとうございました。
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