スポーツ用品通販B社のメール施策
スポーツ用品通販B社では、メール施策として、主に以下3つのキャンペーンを実施した。
- カート放置キャンペーン
- Web閲覧後フォローキャンペーン
- クロスセルキャンペーン
カート放置キャンペーン
カート放置キャンペーンとは、通販サイトのカートに商品を入れたままで購入が完了していない顧客に対し、カート投入製品のオファーメールを顧客に送付するというもの。このメールのコンバージョン率は、翌日に送った場合だと5%ほどになる。通常のメルマガの場合は0.5%ほどだったので、約10倍の効果だ。
カートに商品を放置する顧客は、毎日全体の0.09%ほど発生するため、50万人の顧客がいる場合は1日450人がカートを放置する計算だ。だが、翌日に5%の顧客がキャンペーンメールに反応するのであれば、約23人が購入することになる。放っておけば生まれなかった売上だ。
Web閲覧後フォローキャンペーン
さらに効果が出ているのは、Web閲覧フォローキャンペーンだ。これはカートへの商品投入や購入がなく、Webを閲覧して離脱してしまった顧客が対象。閲覧した商品や関連のある商品をメールでオファーするというもの。この人数はカート放置に比べるとさらに多く、全体の3%ほどだ。コンバージョン率こそ翌日に送った場合だと2%だが、対象人数が多い分その効果は大きいという。
クロスセルキャンペーン
前出の2つに対し、クロスセルキャンペーンの対象者は商品を購入した顧客となる。クロスセルのオファーメールは、購入の翌日とその後一定間隔で送られる。コンバージョン率は翌日に送った場合で4%ほどとなる。
この企業は、3つのキャンペーンによる効果を売上の10%強と見ているそうだ。もちろん、その他のキャンペーンによる間接的な効果ということも考えられるが、効果の半分以上は「このキャンペーンによるものだと考えられます」と林氏は語る。
最後に、1人ひとりにパーソナライズした動画付キャンペーンメールの施策例を紹介し、「100万人いれば、100万通りの動画を作ってオススメできるようになっています。パーソナライズできるものがかなり増え、パーソナライズできないものを探すほうが難しくなってきている。そういう時代になってきています」と述べ、講演を締めくくった。
【講演資料DL】顧客に寄り添うECサイトマーケティングを実現!ECで必要な考え方とは?
先日開催されたECzine Day 2016 Spring内でのブレインパッドの講演で使われた資料(一部抜粋版)です。EC市場の最新動向や、ECビジネスで利益を上げるためのポイントを解説しており、ECに携わる方にはおすすめの内容になっています。ぜひご一読ください。ダウンロードはこちら。