マイクロアドが語る、新サービス「BLADE DFs」
まず井上さんは、同社の主力製品である「Microad BLADE」を紹介。国産第一号のDSPツールで、EC・人材・不動産業界の広告主を中心に、2015年時点で約1万5,000社が導入している。管理画面から、予算設定やターゲティングを容易に行えるのが特徴だ。
2014年末には、Microad BLADE単体でダイナミック(動的)リターゲティングを開始。リターゲティング、コンバージョンと静的な2種類のタグを設置し、簡易なデータフィードを用意すれば配信可能となっている。リリース以降、導入実績は月120%で成長、導入した大手ECサイトでは、PCのCTRが0.3〜0.5%、スマホのCTPが0.2〜0.4%の実績が出ている。
そのMicroad BLADEの一機能として、2015年にリリースしたのがデータフィード活用サービス「BLADE DFs」だ。さまざまな配信媒体に活用していくことを目的とし、データフィードの作成、加工を無料で行うというもの。マイクロアドは、それを用いた広告運用でフィーを得る。
「多くのEC事業者様が、フィードを作成する機能がなかったり、一度作ったきりのデータを使い続けたりと、まだまだ本格的な活用には至っていないのかなという印象です。『BLADE DFs』は、市場におけるデータフィード活用を広げていくことを目的に作成しました」
無料で作成・加工するサービスを提供してまで、マイクロアドが利用を促進するデータフィード。まずは、データフィードそのものがどのようなものなのか、井上さんは解説を進めていく。
広告配信は、データフィードで一本化へ
「データフィードとは、商品DBの分身である」と井上さん。そもそもEC事業者は、自社で取り扱う商品について、効果的に、かつ効率的に、ユーザーに訴求していきたいと考えている。そのニーズにあわせて、広告手法も、配信先も増えているが、それらすべてを掛け合わせると膨大なデータとなり、人力で対応していくのは不可能となっている。それを、商品データベースから必要な情報を抜き出し、整えたのがデータフィードだ。
「データフィードを活用することで、ダイナミックリターゲティングや商品リスト広告はもちろん、バナーのような静止画広告にも対応できます。商品の在庫管理をし、クリエイティブの色やテンプレートを、フレキシブルに編集することが可能です。今後の広告配信は、データフィードで一本化する方向になっていくのではないかと考えています」
なるほど便利になるわけだが、それを実現するために、データフィードは以下3つをクリアしている必要があると、井上さんは言う。
1.正確さ
サイトの情報とフィードの内容に誤りはないか。
2.更新頻度
都度更新し、在庫切れ等が配信されてないか。
3.鮮度
新商品が反映され、ユーザーに届けられているか。
この3点を確実にクリアするために、マイクロアドでは、2種類の方向でデータフィード作成を行う。ひとつめは「商品データベースへアクセスする」で、内容の正確性とデータの鮮度が保証される。だが、事業者によっては、セキュリティ等の観点から困難な場合があるため、その際は「サイトクローリング」で代替する。
こうして作られたデータフィードを活用することで、現状の広告配信を効率化するだけでなく、最新のマーケティング手法に取り組む土台ができる。