ブランド×店舗運営のノウハウがプラットフォーム展開でも強みに
and STらしい体験の創出には、「リアル店舗活用・OMO」も欠かせない。and STでは、2025年4月24日にフラッグシップストア「and ST TOKYO」を東京・原宿にオープンし、ここでも様々な実験的取り組みを続けている。
「ニューバランスでは、9月にand ST TOKYOで約3週間のポップアップを開催させていただきました。単にECプラットフォームに出店するだけでなく、こうしたリアルな場があるのもand STの魅力だと思います。
ポップアップ開催時には、and ST TOKYOスタッフの方がVMDのアドバイスまでしてくれて驚きました。おかげさまで私たちが出店時に立てていた目標もしっかり達成でき、リアルとオンライン双方でチャンスが生み出せる可能性を感じています」(ニューバランスジャパン・江川氏)
全国に数多くの店舗を有するユナイテッドアローズは、自社の売り場外での新たな取り組みとしてコーディネート投稿システムの連携を実施。単に出店場所を借りるだけでなく、自社のスタッフを通じた情報発信の拡充にも取り組んでいる。
「連携にあたっては、システム上乗り越えなければならないポイントも多く苦労しましたが、アンドエスティ様にも前向きに取り組んでいただき、感謝しています。ブランドや商品の良さを発信する場が増えるのは、当社のスタッフのモチベーション向上にもつながるに違いありません」(ユナイテッドアローズ・岩井氏)
岩井氏は、and STが有する2,070万人以上の会員基盤に対しても「当社が課題としている若年層(20代)へのコミュニケーションやアプローチにうまく活用したい」と言及。この点は各社も期待を寄せているポイントだが、単なる“顧客集団”としての価値ではないところにそれぞれ魅力を感じている様子がうかがえた。
「ジュンが展開するブランドはフレンチカジュアルテイストを中心としています。その点、and STで扱われている他ブランドとは異なる強みを有していますので、ミックスコーディネートの提案などで『Play fashion!(アンドエスティHDグループのミッション)』を体現していけたらと思っています。相乗効果を発揮できるような取り組みをぜひ考えていきたいです」(ジュン・渡辺氏)
「会員数の多さは、アンドエスティ様の熱意がきちんとお客様に伝わっているからこそのものだと捉えています。実際にアクティブ会員数が全会員数の3分の1以上を占めているのも、売り場の魅力が伝わっている証拠でしょう。
ICLとしては、and STで現在ライフスタイルブランドの『LAKOLE』が人気という点にも注目しています。Afternoon Tea LIVINGもand STを通して、より多くのお客様にブランドの世界観を伝えていけると可能性を感じました」(ICL・岡本氏)
各社の話を受け、木村氏は「and STとしては、洋服だけがファッションではない」と強調。出店企業と協力することで「顧客が求めるカテゴリーや商材の強化もスピーディーに行い、新しいECの価値を作っていきたい」と意気込みを語り、最後にこのように締めくくった。
「改めてにはなりますが、and STは『ファッション業界をコネクトする 競争を超えて、共創する未来へ』を体現する場でありたいと考えています。単に出店してもらって終わりではなく、ここからしっかりと売上拡大にも貢献し、大きな目標に向けて一緒に歩みを進めていきます。リアル店舗やそこで働くスタッフといった強みを生かし、他のECモールとは異なるアプローチをさらに進めていきますので、ぜひともよろしくお願いいたします」(アンドエスティ・木村氏)
