SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

直近開催のイベントはこちら!

【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

ビックカメラに聞く、家電小売業で頭一つ抜けるための体験設計と物流戦略 「今ECを再定義すべき」理由

あえて“凹凸のある”ECサイトへ 「今年中に実現したい」

──中期経営計画では、2029年8月期までにEC売上860億円という大きな目標が掲げられています。そのために、EC事業部では今後どのような展開を考えていますか。

畑中 ビックカメラ・ドットコムの“フロント”にAIを活用していきたいです。昨今、バックオフィス業務の効率化にAIが導入されているケースはよく耳にしますが、お客様と直接向き合うフロントでの活用はまだまだこれから。具体的には、お客様の買い物をサポートする「エージェント機能」を強化し、コミュニケーションが取れるECサイトを作りたいと考えています。

 ビックカメラ・ドットコムでは、「冷蔵庫 大容量」と検索しただけでも400件以上の商品が表示されます。その中から商品を探すお客様のストレスは、非常に大きい。まるで販売員に話しかけるように「こういうシーンで使いたいんだけど」と質問すれば、「この商品はいかがですか?」と提案してくれる。そんな売り場のようなECサイトを実現したいです。

 もう一つは、ECサイトの“変動”です。お客様のビックカメラ・ドットコム上での行動履歴や滞在時間に応じて、商品ページの見た目や表示内容を最適化していきたいと思っています。これは単なるパーソナライズではなく、私はあえて「マイストア」と表現しています。

瀧澤 データ分析を進める中で、若年層のお客様が少ないとわかっています。そこで、年齢層に合わせてビックカメラ・ドットコムの見た目を変動させる、特定の価格帯の商品を集めたページを表示するなど、各ニーズに合わせた見せ方ができれば、新しいお客様との出会いも増えるはずです。

株式会社ビックカメラ EC事業部 事業戦略推進ユニット 瀧澤優太氏
株式会社ビックカメラ EC事業部 事業戦略推進ユニット 瀧澤優太氏

畑中 やりたいことは、まだまだあります。ECサイトは「全国が商圏だから、価値提供はフラットにすべき」といわれることも少なくありませんよね。しかし、実店舗が「地域密着」を謳うように、私たちは地域戦略×ECに可能性があると考えています。

 北海道と沖縄県のお客様では、求める商品や買い物の価値観が違うのが自然です。東京23区内でも、地域によって異なる価値観があるかもしれません。この考え方をオンラインでも表現し、あえて地域によって凹凸のあるサービスを提供したい。次世代の体験型ECサイトとして、年内に具現化する計画です。

瀧澤 足元の施策も、着実に行っていきます。私の個人的な目標としては、データ分析によって、お客様に届く無駄なメルマガをなくすことです。膨大なデータの中から、良い点と悪い点を見つけ出し、改善していく。施策の傷口を手当てできるような環境を作っていきます。結果的に、ビックカメラ・ドットコムを、お客様が何度も足を運びたくなるようなECサイトに育てていければ嬉しいですね。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
次なる顧客体験へ 大手企業の目線連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/17297 2025/10/22 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング