EC限定商品・大容量商品をきっかけにファンを拡大
――最初にお2人が所属するEC企画課がどのような部署か教えてください。
鬼頭 ロッテでは、自社ECのロッテ公式オンラインショップとAmazonや楽天など各種ECモールでECを展開しています。私たちはマーケティング本部の中で、デザイン志向でマーケティング活動を推進するクリエイティブデザイン部のEC企画課に在籍しています。
EC企画課はECサイトのプロモーションやCRM、専用商品の企画、外部モール(楽天、Amazonなど)の運用を担当しています。また、企画課と対をなすチームとしてEC推進課が存在し、バックオフィス業務として物流や経理といったEC運営の根幹を支えています。

――続いて、ロッテ公式オンラインショップについて紹介していただけますか。
立花 ロッテオンラインショップの特徴は、主にスーパーなどでは手に入らないEC限定の商品を扱っている点になります。その中でも主力となっているのが、「オリジナルコアラのマーチ」というサービスです。お客様ご自身で写真やメッセージ、名前を入れて、世界に一つだけのコアラのマーチを作ることができます。
また、お客様の様々なニーズに応えるため、通常の販路では売られていない大容量商品も取り揃えています。スーパーでは1個売りが主流ですが、オンラインショップではゼロチョコレートの大容量BOXやキシリトールタブレットの大容量パウチなどを専用商品としてラインナップしています。また、人気チョコ菓子のセット商品や通常のお店では手に入らない2L大容量の業務用アイスも人気商品の1つです。
また、季節限定商品として冬場に人気の「ラミー」のワンランク上の商品である「ラミーテリーヌ」などもオンライン限定で販売しています。

――市販品とは異なる、オンラインならではの品揃えということですね。メーカーとして、ECはどのような役割を担っているとお考えですか。
立花 そうですね。EC限定商品を販売することで、オフラインではロッテの商品に触れる機会がなかった方々にも、当社の商品を知っていただくきっかけになります。オンラインショップが新しいタッチポイントとなり、ロッテのファンになってくださる方を増やす「ファンの育成」という役割も担っていると考えています。
鬼頭 それに、実店舗の陳列棚にはどうしても限りがあります。たとえば、ガーナブランド1つとっても様々な商品がありますが、店舗の規模によっては全てのガーナブランド商品を並べる事が困難なこともあります。しかし、オンラインではすべての商品が取り扱える上に、セット販売することも可能です。「こんな商品もあったのか」とお客様に新たな発見を提供することもECの重要な役割だと捉えています。
コアラのマーチのコラボと大容量アイスがヒット
――直近で特にヒットした商品はありますか。ヒットした要因や仕掛けについてもうかがいたいです。
立花 「オリジナルコアラのマーチ」は、2019年10月のローンチ以来、右肩上がりに成長しているロングセラー商品です。また、少量多品種印刷ができるオンデマンド印刷機の特性を活かし、IP(知的財産→コンテンツ・キャラクター)とコアラのマーチとのコラボレーションも実施し、売上を伸ばしています。特にアニメ「五等分の花嫁」とコラボした際は、わずか5時間で2,000セットが完売しました。

――5時間で完売とはすごいですね。コラボを通じて、新たな層の獲得につながったのでしょうか。
立花 はい、その通りです。コラボ先である作品のファンの方々は、今までロッテオンラインショップの存在をご存知ではなかった方が多くいらっしゃいます。コラボ商品を通じて初めてサイトを訪れ、購入してくれることで、ロッテオンラインショップの認知拡大、新規顧客の獲得に大きく貢献しています。版権元の公式SNSでも告知していただくことで、ファンの方々に情報が届き、爆発的な集客が生まれています。
――他には、どのような商品がヒットしましたか?
立花 もう一つは、大容量の業務用アイスです。外部モール(楽天市場、Amazonなど)でも販売しているのですが、インフルエンサーの方が取り上げてくださったことをきっかけに認知度が一気に上がり、取り扱い強化を始めた初年度は売上が約10倍に跳ね上がりました。
鬼頭 さらに、その投稿を見た他のインフルエンサーの方々が次々と紹介してくれたため、連鎖的に話題が続き、ロッテオンラインショップでも人気商品になっています。