売上はコロナ前の約2倍に、現在も成長を継続
――ショップの個性と様々な顧客接点を組み合わせていることがうかがえました。ここまで紹介いただいた施策によって、JAタウンの売上やユーザーの推移はどうなっていますか。
池添:元々コロナ禍をきっかけに、巣ごもり需要の増加とともに売上が大きく伸びました。そこから紹介した認知拡大施策などを継続したことで、コロナ禍以降も売上・会員数ともに成長を続けることができています。売上もコロナ禍以前から右肩上がりに伸長しています。
――ECを運営していく中で学びになった点や、運営する上でこれが重要だと感じる点はありますか。
奥薗:お客様の気持ちになって物事を考える力がJAタウンの運営で身につきました。売り手の視点に偏りがちですが、最終的に購入を決めるのはお客様です。お客様のニーズに沿った商品をお届けすることが重要だと考えています。
またJAタウンにはレビュー機能があり、お客様が書いたレビューは商品ページにそのまま反映されます。お褒めの言葉から励ましの言葉まで多くのお声をいただくので、それを見てよりよいECサイトになるよう日々試行錯誤しています。
また、お客様は「美味しいものが食べたい」と思いますが、味の感じ方は人それぞれですし、食味は天候にも左右されることもあります。誠実な情報表示を心がけながら、多くのお客様に「美味しい」と感じていただけるような工夫を凝らしています。
池添:YouTubeなどの取り組みにもつながってくるのですが、JAタウンには全国に多くのショップがあり、1万点以上の商品があります。そして、ECは広大なインターネットの中に存在します。ただ商品を掲載しただけでは、どれだけ良い商品であっても埋もれてしまうということを強く感じています。
そのため、PRの重要性にも気づけました。YouTubeやSNS、オンラインクレーンゲームなど、様々な接点を通じて知ってもらい、購入してもらうことで、「こんな商品があったんだ」とお客様に気づいてもらうことが大切だと感じています。
生産者と消費者の懸け橋に
――最後に、今後のJAタウンの展望について教えてください。
奥薗:JA全農の経営理念は「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋になります。」です。JAタウンも、その経営理念のとおり、生産者と消費者をつなぐ「懸け橋」となるような役割を担っていきたいと考えています。
池添:全国各地の農畜産物を取り扱っている強みを活かし、JAタウンをきっかけに、引き続き多くの方々に国産の農畜産物を食べていただき、その魅力を知っていただきたいです。そして、それが結果的に生産者にとっても、丹精込めて育てた商品を実際に販売につなげることができる、生産者を応援するプラットフォームへと発展させていきたいと考えています。