コマースメディアを展開するCRITEO株式会社は、米国、英国、フランス、ドイツ、日本、韓国の市場における6,000人の消費者と600人のブランドの責任者に調査を実施し、消費者の気持ちを動かすeコマース体験に関するレポートを発表した。主な結果は次のとおり。
オンラインショッピングが面倒な作業と答えた人は29%
本調査では、理想的なショッピング体験を検討する際に消費者の半数以上(54%)がオンラインショッピングで喜びを感じることが重要と考えている旨が明らかになった。
一方で、消費者の76%はオンラインショッピングには驚きや喜びが欠けており、他のショッピング形式と比較して最も刺激のないショッピング体験であると回答。買い物客の29%は、オンラインショッピングは楽しい経験ではなく面倒な作業であると答え、79%が孤独を感じ、78%が提供されている製品の数が多いために圧倒されることもあると考えていることが判明した。
なお、消費者の半数(50%)はオンラインショッピングを楽しみとみなしながらも、昇進、誕生日、個人的な達成などの大きな記念日を祝う際にオンラインを利用するのはわずか18%、レストランに行く(37%)、店舗で買い物をする(24%)など、対面でのアクティビティが好まれる傾向にあることもわかっている。
ブランドの責任者も顧客満足度と顧客維持率が重要指標と認識
消費者の半数以上(52%)は、新製品を探しているときにポジティブな気持ちになる可能性が高く、46%の消費者が新しいブランドを発見したばかりのときにポジティブな気持ちになると回答。ポジティブな感情を喚起するために重要な要素として、ブランドの広告を見ることを挙げた消費者は39%という結果になった。
なお、ブランドの責任者もこうした顧客体験の重要性を認識しており、23%がeコマースの最重要指標として顧客満足度と顧客維持率を掲げていることも明らかとなっている。
消費者の半数はデータ提供とショッピング体験の向上がトレードオフであると認識
同社は、パーソナライゼーションとプライバシーは互いに緊張関係があるとし、79%のブランドリーダーは、データプライバシーの懸念が自社のユーザーの「欲しいモノとの出会い」をもたらす戦略の障害になっていることを認めていると発表。
一方で、消費者の半数(50%)はブランドにアクセスを許可するデータが多いほど、製品のレコメンデーションの品質が向上することを認識しており、43%の消費者がブランドがデータを活用してより関連性の高いショッピング体験を生み出すことを積極的に望んでいることも明らかとなっている。
AIツールは無駄な時間の排除、UX向上のために利用
調査では、多くのブランドの責任者がAIツールを使用していることも明らかになっており、ブランドの77%は推測に基づく仕事という無駄な時間を排除するため、83%はユーザーエクスペリエンスを向上させるためにAIツールを使用していると回答した。
CRITEOは調査結果を踏まえ、オンラインショッピングは、効率性以上のものを消費者に提供できるチャネルであると考察。加えて、オーダーメイドのショッピングジャーニーの提供など、「欲しいモノとの出会い」を通して喜びやときめきを生むことで、ブランドはeコマースでの感情を高め、消費者が望む体験の提供が可能になると考えを述べ、調査結果をまとめている。