SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

「Zoff」が見つけた“オンラインで眼鏡を買う理由”の作り方 EC化率30%への道筋を語る

顧客・実店舗・ECの全方向にメリット 機会損失を防ぐOMOの仕組みとは

 EC事業を強化しているとはいえ、これまでZoffは実店舗を軸にビジネスを展開してきた。スタッフコンテンツの拡充以外にも、売上の付け方など実店舗側とEC側の関係調整は発生する。だからこそ「お互いをライバルと考えるのではなく、協働するパートナーと位置付けている」と猪俣氏は語る。自社ECサイトが、顧客と実店舗をつなぐ“ハブ”としての役割を担っているという。

「たとえば、人気のコラボ商品が実店舗で即完売してしまった場合、在庫のある自社ECサイトへ顧客を誘導することで、販売機会を逃さずに済みます。また、自社ECサイトで事前予約を受け付けた後に実店舗へ展開すると、顧客の年齢層や性別などの予約データに基づいて、在庫配分の調整が可能です」

 その好例が、2024年に実施されたある人気キャラクターとのコラボ企画だ。自社ECサイトではすぐに完売し、実店舗でも大きな話題を集めた。しかし、客層の違いなどから、在庫が一部残る実店舗もあったという。

「在庫が残った際『どこで売るのがベストか』が悩みどころでした。実店舗だと、人気商品を求めて朝から並ぶお客様もいます。その案内対応など、店舗スタッフにとってはかなり負担が大きいのです。また、一部店舗にのみ展開している商品だと、すべてのお客様が買いに来られないのも、避けたい理由の一つでした。

 そのため、在庫を自社ECサイトに集約し、全国どこからでも同じ条件で購入できるようにしました。全店舗で『この日に自社ECサイトで販売します』と一斉に案内できる体制を整えることで、社内全体で足並みを揃えて動けます」

 社内連携を強化しながら、着実に成長を続けているZoffのEC事業。今後もOMOの推進によって、新たな顧客接点を創出していく。まずは、サングラス市場で地位を確立する考えだ。

「『サングラスといえばZoff』と認知されるブランドを目指しています。日本のサングラス市場は、海外と比べてまだまだ伸びしろがある。ファッション、ライフスタイル、アイケアなど、様々な切り口から訴求し、より多くの方にサングラスを取り入れていただきたいですね」

 サングラスは度なしでも購入できるため、EC販売との相性が良いカテゴリーだ。猪俣氏は「サングラスがZoffでの初めて買い物をするきっかけになれば」と期待の色を見せた。

「EC販売には“売り場の制限がない”という強みがあります。どれだけ商品を並べてもスペースに困らない。レコメンド機能を活用すれば、ユーザーに最適な商品を届けることもできる。今後も、EC販売のメリットを最大限に活かしながら、幅広いニーズに応える商品・サービスを展開していきます」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
次なる顧客体験へ 大手企業の目線連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川県出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/16756 2025/06/24 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2025年6月12日(木)10:00~17:25

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング