Qoo10がセラー向け大規模イベントを初開催 注目4ブランドのトークをレポート
2010年に日本での運営を開始した「Qoo10」は、サービス開始以降、毎年流通取引総額(GMV)を拡大。K-Beauty企業の台頭やセール施策「メガ割」の認知度向上とともに会員数も増え、現在は2,500万人超(2025年3月時点)を記録しているという。
そんなQoo10が、初めてセラーを集めてメガ割の成果共有や知見提供の場を設けたのが、2025年3月14日に韓国・ソウルで開催された「2025 Qoo10 JAPAN K-Beauty Mega Conference」だ。2025年2月28日から3月12日にかけて開催されたメガ割の成果や今後の経営方針、新たに設けられたコスメ企業向け支援プログラムについては、ECzineのニュースでも紹介している。
同カンファレンスでは、Qoo10に出店して様々な施策を展開し、日本市場進出や知名度・売上向上を叶えたK-Beauty企業によるパネルディスカッションの場も設けられていた。本記事では「Branding Recipe Attracting Women in Japan's 2030s(2030年代の日本女性に響くブランド戦略のレシピとは)」をテーマに、次の4名が語ったQoo10出店・メガ割施策を通して抱いた日本のコスメ・ビューティー市場に対する印象や、現在から今後の戦略などについて紹介する。
登壇者一覧
- Anua:The Founders Inc. Head of Global Sales, VP Shin Geonsik氏
- TIRTIR:TIRTIR.Inc. HQ CMO Lee Sunyoung氏
- BIOHEAL BOH:CJ Olive Young Co., Ltd. Global Brand Business Department Director Kwon Gaeun氏
- LANEIGE:アモーレパシフィックジャパン株式会社 デジタルコマース事業部 CDO 石野裕二氏
メガ割で17万件受注した商品も ローカライズ戦略はマス・MD双方から
まずは、韓国から日本市場へ進出・拡大するにあたり、各社がQoo10などの各チャネルで行ってきた施策について紹介がなされた。
「LANEIGE」を展開するアモーレパシフィックジャパンは、ベストセラー商品「リップスリーピングマスク」の日本限定施策を紹介。MDとタッグを組み、プロモーション企画と連動した限定キットの販売も行い、認知度と売上の拡大を図ったという。

プロモーション施策のローカライズを図り成功を収めているのは、「マスクフィットクッション」シリーズを主力とする「TIRTIR」や、韓国でヘルス&ビューティストアを展開し、近年はプライベートブランド(PB)の展開にも注力しているCJ Olive Youngだ。同社が展開するPB「BIOHEAL BOH」もTIRTIRも、日本のアイドルやタレントをブランドアンバサダーに起用し、顧客との出会いの機会を生み出している。
「日本の著名アイドルをブランドアンバサダーに起用する際には、『身近に感じていただけるかどうか』を重要視しました。プロモーション開始後は、コンサートでのブース展開や街中でのポップアップイベントなど、顧客に商品を体感してもらう機会を設けたことでバイラル的にTIRTIRの価値が広がり、日本での一定の知名度向上、支持獲得が実現できたと考えています」(TIRTIR・Lee氏)

BIOHEAL BOHは、ブランドアンバサダー戦略のほかにQoo10内で開催される各種イベントに積極的に参加し、顧客の購入意欲が高いタイミングでの出会い創出を図っている点にも言及。「Anua」も、メガ割やポイント還元セール「メガポ」に照準を合わせた限定セットを展開し、一回のセールで17万件以上の注文を受けるなど好調な結果を記録しているそうだ。
「私たちは、日本の顧客と市場を理解することに時間をかけています。K-Beautyブランドは若年層向けの印象があるかもしれませんが、Anuaは幅広い層に支持されること、そしてゆくゆくは日本国内での売上TOP10以内のブランドになることを目指しています。そのための施策を今後も強化していく予定です」(Anua・Shin氏)